河内飯盛山周辺登山道
飯盛山(いいもりやま)は、大阪府大東市と四條畷市にまたがる北部生駒山地の山です。大阪府山岳連盟が2002年に発刊した「大阪50山(おおさか50せん)」では、『河内飯盛山』と表記されています。標高は314.3mで山頂部には飯盛城の曲輪跡や石垣跡が今も多く残っています。また、南北朝時代の四條畷の戦いで戦死した楠木正行の銅像が建っており、戦国時代の三好長慶の居城としても有名です。
標高の低い里山ですが、大東市や四條畷市がパンフレットなどに掲載されている登山道(ハイキングコース)以外にも古道と呼ばれる道や関電や林業の作業道、昔の生活道などがあります。また、山岳信仰にも通ずる修行の場や雨乞に関連した石碑などが多く存在しています。長年すぐ傍で暮らしてきたのに何も知らない里山を時間をかけて知ろうと思っています。
◎注意事項
河内飯盛山は300m程度の低山です。一般的な登山道はよく整備されていて、老若男女問わず歩くことができる山です。しかし、標高は低くても滑落すれば少なからず怪我をすることになり、場合によっては行動不能なったり命にかかわる事態に陥ることもあります。特に破線ルートには踏み跡が薄かったり、崩落や倒木で通行が困難な箇所もあります。また、低山では尾根も谷も高低さが少ない場合が多く、地図やGPSでは判断しにくい場所も多くあります。そのため道迷いにつながる危険があります。自然環境の変化(崩落等)による廃道化や林業作業、自治体等の指導により、通行止めや迂回路の設置などが行われていることもありますので、登られる前に情報収集を怠らないようにお願いします。。
- 山歩きの行程(ルートや下山時間など)をご家族などと共有するようにしましょう。
できれば簡単でいいので登山届を最寄りの警察に提出するようにしましょう。 - 立ち入りが制限されている場所へ無断で立ち入らないようにして下さい。
- 山は私有地も多く、山主さんのご厚意で通行できている場所も少なくありません。通行が認められている場合でもマナーを守ることを忘れないで下さい。
- 希少動植物の保護へのご協力をお願いします。傷つけたり、持ち帰ったりすることは、法律に抵触することがあります。
- ご自身のゴミは、必ずご自宅まで持ち帰って下さい。山にはゴミ捨て場はありません。
◎周辺登山道の概略
実際に歩いたGPSデータをもとに、国土地理院の地形図にAdobe Illustratorを使用してルート地図を作成しています。また、各登山道の詳細に関しては、随時作成したページにリンクを貼る予定にしています。(河内飯盛山の記事は、ここをクリックして下さい。)

- 新登山道(北尾根)
四條畷神社、御机神社から北尾根を登る四條畷側からのもっとも一般的なルートです。整備は行き届いていて大きな危険個所はありませんが、勾配がきつく階段が多いルートです。 - 旧登山道(飯盛山登山道)
四條畷神社から伝三本松郭跡へ通じるルートですが、台風や豪雨の影響で崩落個所が数か所あり、関係自治体では通行を推奨していません。途中、中道や妙見谷右岸尾根が合流しています。 - 中道
新登山道(北尾根)の巻き道的なルートです。飯盛山史跡碑で新登山道と合流します。整備は行き届いていて大きな危険個所はありません。新登山道より勾配は緩やかで歩きやすいルートです。途中で旧登山道への分岐があります。
・中道の枝道については、「河内飯盛山/中道の枝道」をご覧ください。 - 墓谷(破線)
教照寺(北条)東側の墓谷を登るルートですが、登り口は大東市市有地でゲートに施錠がされています。通行が禁止されているわけではなく不法投棄防止のためのようです。原則、墓谷の左岸に踏み跡がありますが、一部不明瞭で谷底に誘われやすいです。妙見谷(観察の森)からの道に合流しますが、勾配がきつく足元に注意が必要です。 - 妙見谷右岸尾根 (破線)
北条にある観察の森から妙見谷右岸の尾根を辿るルートです。よく整備されていて大きな危険個所はありません。稜線近くで旧登山道と合流して、伝三本松郭跡に通じています。展望がよく歩きやすい道で、近くに白天龍王の石碑があります。 - 北条神社コース : 三好道(妙見谷左岸尾根)
妙見谷左岸の尾根を辿るルートです。よく整備されていて大きな危険個所はありません。途中プチ岩場もありますが歩行に大きな問題はなく、山頂直下の伝倉屋敷跡に辿り着きます。稜線近くで伝三本松郭跡に通じる派生路があります。 - 北条古道(破線)
山頂稜線のFM電波塔(千畳敷郭跡)西端から北条神社へ通ずる道で古道のひとつと言われています。踏み跡はある程度はっきりしていますが、途中の尾根分岐箇所と竹林地帯は倒木と落葉でわかり辛い場所があります。途中、建屋跡、石切場跡、雨乞記念碑や水槽跡があります。 - 地獄谷古道:北条小コース(破線)
虎口跡南側から北条小学校方面へ地獄谷、猪谷を通る谷道です。踏み跡は明確ですが、夏場は藪が蔓延り蜘蛛の巣なども多く歩き辛いと思われます。途中、落差のある滝があり不動尊祠跡があり、昔は修行場だったと思われます。 - 狐追谷左岸尾根道(破線)
杉むら峠から野崎観音方面へ通じる尾根道で中尾根に向かわず、分岐を右(北)へ取ると地獄谷(猪谷)へ通じており地獄谷古道と合流しています。 - 中尾根コース
杉むら峠から野崎観音方面へ通じる尾根道です。この山域では最も急峻な登山道と言っても過言ではないと思います。道は整備されていてお助けロープも多く設置されていますが、急勾配なので登り下りとも注意が必要です。 - 竹林コース
野崎側からの一般的な登山道です。竹林の中を通って杉むら峠まで通じています。途中に水飲み場もあり多くの方が利用されています。 - 絵日傘コース
野崎側からの一般的な登山道です。途中、七曲りと呼ばれている九十九折れの箇所があり、勾配が少し急です。七曲りの案内板から右に入ると灌頂の滝に行くことができます。また、杉むら峠から野崎観音方面へ向かう尾根途中から辻の新池へ続く尾根道もあります。 - 南尾根コース
野崎城跡下の分岐から野外活動センターに通じている尾根道です。黒廻池付近で分岐して野外活動センターと寺川新池に通じています。また、黒廻池から竹林地帯を抜けて野外活動センターに続く道もあります。 - 学校道コース
野外活動センター「キャンピィだいとう」から中の池、寺川新池、野崎新池を通りJR野崎駅までの区間。区間のほとんどが舗装道路で登山、ハイキング道とは趣が異なる。 - 滝谷楠水の場コース
なわて更生園から権現川に沿って滝谷楠水の場へ続く道で水場から楠公寺へ登る道と野外活動センターへ通じる道があります。途中、出合ペルトン水車跡で権現の滝コースが分岐しています。また、権現川コース分岐手前からむろいけ園地のネイチャートレイル外回りへ登る冒険のコースがありますが、現在は荒廃が酷く廃道化しています。 - 蟹ヶ坂コース
なわて更生園からむろいけ園地へ通じているハイキング道です。ほとんどが舗装道路で危険な個所はありません。 - 権現川コース
なわて更生園から滝谷楠水の場コースに入り、ペルトン水車跡から権現川に沿ってむろいけ園地の西堤まで通じているハイキング道です。途中に権現の滝があります。また、むろいけ園地のネイチャートレイル外回りへ登る道もあります。 - 権現の滝コースから桜池
権現の滝コースから野外活動センターに隣接した桜池付近へ山越えするルートがあります。途中、関電の鉄塔下を通ります。道標も付けられていますが、権現の滝コース側は急勾配で落ち葉などでスリップしやすいので注意が必要です。権現の滝入り口付近への分岐もあるようですが、私有地があり「立入禁止」の看板等もあるのでマナーには気をつけて下さい。ピーク付近から関電の鉄塔へ管理道がありますが、鉄塔から先は道が不明瞭なので利用しない方が良いと思います。 - (仮)権現川尾根(破線)
権現川コースと滝谷楠水の場コースに挟まれた南北に走る尾根。取り付きが分り難いが、尾根に上がると展望がよく気持ちよく歩くことができる道です。但し、鉄塔のあるピーク近くは、浮き砂が多く急斜面が続くので足元には注意が必要です。 - 冒険のコース(険路)
むろいけ園地のネイチャートレイル外回りと滝谷楠水の場コースを結ぶ古い道。ペルトン水車跡近くの地蔵尊がある谷を登りますが、関電鉄塔(2か所)までは踏み跡が不明瞭で、滝や竹林地帯、倒木、崩落など難所が続きます。 - 清瀧瀑布・山神コース(難路)
四條畷八景に選定されている清瀧瀑布へは、国道163号から上ると簡単に行くことができます。そのルートとは別に御机神社、龍尾寺の東側にある山神から竹林を抜け尾根を越えるルートがあります。途中、採石場の崖近くを通ったり、藪に覆われ踏み跡が不明瞭な箇所もあります。ある程度のルートファインディングが必要です。 - 清滝山(破線)
山頂に三等三角点(点名・目賀根 361.2m)が設置されている四條畷市の最高峰で眼鏡山とも呼ばれています。山頂へは数通りの道があるようですが、踏み跡が不明瞭であったり、藪で覆われている個所があります。 - むろいけ園地
生駒山中のスポーツ・宿泊・研修施設である「緑の文化園」に隣接し、室池を中心に2つの散策道「ファミリートレイル」と「ネイチャートレイル」があります。園地内の散策道に危険個所はありませんが、倒木や崩落個所があるので園内の注意情報を参照して下さい。 - 寺川新池周辺の道
寺川新池は、河内飯盛山から延びる稜線の南端にある池です。この池の周辺にも昔はハイキングコースがいくつかあったようです。現在、明確な道があるのは、黒廻池(くろまのいけ)近くの南尾根コースから南に延びる道です。 - 黒廻池(くろまのいけ)関電道
黒廻池付近で南尾根コースから分岐しています。おそらく関電の鉄塔管理用の作業道だと思われます。踏み跡は明瞭で、危険な個所もなく、途中きれいな竹林の中を通っています。 - 四等三角点『南野(みなみの)332.60m』
むろいけ園地から阪奈道路へ通じている大阪環状自然歩道の途中にある分岐近くのピークです。登山道から少し離れているので立ち寄られる方は少ないようです。ピークですが展望はなく見どころはありません。
- 各登山道の名称は、地方自治体等のパンフレットに掲載されている名称、大東市・四條畷市の古い地図などを参照していますが、明確な根拠はなく仮称的な名称とご理解ください。
- 地形図や書籍などで紹介されていない道や破線表記になっているバリエーションルートも含まれています。倒木、崩落や未整備等により廃道化している道もあります。地形図、コンパス、GPSなどを装備が必要な場合があります。
◎見所(神社仏閣など)
◎参照サイトおよび資料
長年住み慣れた里の山ですが、歴史的背景や地理的背景など知らないことばかりです。このサイトに掲載している情報の多くは、下記のサイトや色々な文献を参考にしながら掲載しています。参考にさせていただいている方々には本当に感謝しております。
- 甘藷岳山荘(あまいものこのあまいものだけさんそう)
管理人さん「あまいものこ」さんのホームページです。河内飯盛山のことがかなり詳しく紹介されています。 - ふぁんトントのブログPart.2
「生駒山系」をこよなく愛する「ふぁんトント」さんのオフィシャル・ブログです。生駒山地全般の情報が詳細に記載されています。 - 全国遺跡報告総覧
埋蔵文化財の発掘調査報告書(以下、報告書)をインターネット上で公開することで、必要とする人が誰でも手軽に調査・研究や教育に利用できる環境の構築を目指して、国立文化財機構奈良文化財研究所(以下、奈文研)を代表機関として、自治体、大学、博物館、法人調査組織、学会等が共同で推進している事業です。 - 大東市ホームページ/教育委員会/生涯学習部生涯学習課/文化財
大東市の文化財に関するページで、多くの埋蔵文化財に関しての調査報告などが掲載されています。
