郵便道から花巡り(金剛山)
4月中旬から5月のゴールデンウィーク前後にかけて、開花ピークを迎える金剛山。代表されるのがカトラ谷上部のお花畑と呼ばれる一帯です。自然林に覆われた谷上部に広がるニリンソウの群落を中心にキンキエンゴサク、フデリンドウ、ツルキンバイ、ヤマルリソウ、ヤマシャクヤクなど多くの種が花を咲かせます。同時期に奈良県側の郵便道では、白いイカリソウが咲き初めています。
今回は、郵便道から山頂を目指し、イカリソウやチゴユリを楽しんだ後、カトラ谷へ下りお花畑でのんびりしてきました。郵便道には、イカリソウやチゴユリ以外にも植林地に見られる花が多く咲いています。また、地元の方々が登山道の補修や自然の保護に力を入れられています。地元の方々の取り組みを大切にしたいものです。『碇草咲く郵便道(金剛山)』もあわせてお読み下さい。

イカリソウ(碇草)はメギ科イカリソウ属 の落葉多年草で、低い山地の雑木林に生え、和名は花の形が和船の錨に似ていることに由来していると言われています。 また、茎の先が3本の葉柄に分かれ、それぞれに3枚の小葉がつくため、三枝九葉草(さんしくようそう)の別名があります。地方によって、カグラバナ、ヨメトリグサとも呼ばれているそうです。イカリソウは漢方薬では強壮剤として有名です。花言葉は「君を離さない」「旅立ち」です。金剛山のイカリソウは、近年キバナイカリソウとされています。
郵便道から青崩道、途中の№77からカトラ谷へ。№77からの道は古くから歩かれていますが、勾配が急でスリッピーなので足元には気を付けて下さい。お花畑までは、さほど時間がかからず、途中にはヤマルリソウ、ツルキンバイなど植生も豊かです。お花畑のニリンソウは例年であればゴールデンウィーク前後がピークなので、時期的には少し早かったと思います。

ニリンソウ(二輪草、学名:Anemone flaccida)は、金剛山を代表する山野草のひとつです。花言葉 は、「友情」「協力」「ずっと離れない」また、山菜としても知られていますが、トリカブトの若葉と似ているため誤って食べて亡くなる事故が多いと言われています。開花には日差しが十分入ることが必要なので鑑賞は午後が良いかもしれません。私は完全に開花していない状態も好きです。
カトラ谷には多くの種の山野草が自生しています。ヤマシャクヤクは、ほとんどが蕾が固かったのですが、例年一か所だけ一週間程度早く開花する場所があります。今回も一株だけ開花してくれていました。近年株数は増えているので今年も楽しませてくれそうです。















ソウシチョウ(相思鳥、学名:Leiothrix lutea)は、外来生物法で特定外来生物に指定され、「日本の侵略的外来種ワースト100」の選定種です。近年、金剛山でも比較的多く見ることができる野鳥です。在来種の生態系を脅かす存在ですが、とても美しい鳥です。
