花の季節を迎えた金剛山
金剛山では、まだ雪が残り霧氷も見られる2月後半から3月初旬にかけて、ちはや園地周辺の植栽された花々が咲き始めます。そして沢沿いにネコノメソウの仲間が次々と花をつけます。今年は少し花の開花が早いような気がしますが、4月に入ると一気に色々な花が咲き始めます。4月10日に金剛山を散策した時に出会った花たちをご紹介します。
黒栂谷に沿って続く黒栂林道の道端には、多くの山野草が咲いています。金剛山のルートの中には、崩落などで危険を伴う道があったり、通行を制限されている道も少なくありません。そういった道に咲く山野草もありますが、一般的な山道や林道沿いでも多くの花が咲いているので無理せず安全に花を楽しんで下さい。
金剛山には、谷沿いの沢道も数ルートあります。そんな沢沿いには、林道や尾根道では見ることができない山野草が多く自生しています。ネコノメソウの仲間は、すでに花期は終わりつつあります。今回の写真にはありませんが、サバノオの仲間やセントウソウの仲間、セリの仲間も沢沿いで見ることができる花です。わさびの花も純白で美しいので探してみて下さい。
昔から金剛山を代表する『お花畑』と呼ばれる場所が、カトラ谷の上流部に広がっています。カトラ谷やわさび谷周辺は、植林地ではなく自然林の山域です。落葉広葉樹も多く、土壌的に栄養豊富で多くの山野草が自生しています。特に4月中旬頃からニリンソウ、キンキエンゴサクの緑の絨毯が広がり、下旬には次々に花を開かせます。4月下旬頃から5月初旬には、気品のあるヤマシャクヤクの花があちらこちらで開花します。そして最後にお花畑近くの支谷でクリンソウが鮮やかに咲き乱れます。もちろんその他にもエイレンソウ、バイケイソウなどの山野草も多く自生しています。谷上部にはヤマブキソウの群生地もあるのですが、登山道に大きな崩落があり、現在はその場所へのアクセスがしにくくなっています。ヤマブキソウはちはや園地でも見ることができます。













そして「スプリング・エフェメラル」(春の妖精)の代表格であるカタクリ(片栗、学名:Erythronium japonicum Decne.)金剛山でも昔から数か所群生する場所があります。ちはや園地の「カタクリの路」に植栽されたカタクリは、自生するものより10日から2週間程度早く開花を始め、自生地の花が咲く頃には花期は終盤になっています。この花は、日差しが十分でないと下向きに半分閉じた姿なので、日中日が高く十分差し込む時間帯に見に行って下さい。もみじ谷、青崩道、文殊尾根など比較的分かりやすいところに群生地はあります。他の山のように保護されていないので、踏み荒らさないようにお願いします。







