二輪草咲く横小路道(生駒山)
生駒山地の山々は、自宅から見ることができる山で我が里山というべき場所です。河内飯盛山、清滝山、飯盛中山、薬尾山、星田連山、鷲尾山、生駒山方面など自宅から歩いて行ける山々が多くあります。ただ、歩きたい山は他にたくさんあるので、いつもウォーキング程度にしか歩いていません。最近、Facebookのグループ「生駒山を楽しむ会」に参加したこともあり、色々探索してみようと思い、手始めに生駒山でニリンソウが咲くという情報につられて歩いてきました。
自宅から手軽にバスで移動できる瓢箪山駅(東体育館前)へ向かい、そこから横小路の登山口まで歩きました。ニリンソウが咲いていると言われる場所は、箕後川沿いの道で、昔はハイキング道だったそうです。生駒山地には、大阪府の園地が数か所あり、昔からハイキング道が整備されていたそうです。また、河内の国と大和の国を結ぶ古道もあり、生駒山寶山寺や千光寺といった宗教的な要素も人の往来が多かった一因だったようです。



昔のハイキング道の面影を残す道を進んでいくと、すぐに一つ目のニリンソウの群生地があり、その後、沢沿いを進んでいくと次の群生地がありました。道を覆うほどの群落で、踏まないように気を付けて歩かなければいけないほどです。

生駒山周辺でもニリンソウが咲く場所がありますが、この谷の群生は規模も大きく見ごたえがありました。沢沿いに数か所群生が見られ、白波大神前の広場にも大きな群生がありました。金剛山ほどの規模ではありませんが、見に行かれる価値はあると思います。
倒木が道をふさぐ箇所が数か所ありましたが、近年この山域を整備されている方がおられるようで歩きやすくなっています。また、要所に道の案内プレートが設置されているので砂防ダムなどを巻く道も分かりやすいです。但し、生駒山周辺に多い園地の管理道などとは違い、山道なので登山靴など適切な装備で歩くことをお勧めします。


砂防ダムの上部を上流に歩くと木々に覆われた沢を進みます。この辺りから生駒山周辺では数少ない渓相の良い沢歩きを楽しむことができます。沢を進むと右岸に巻き道が現れますが、白波大神のある広場には沢を詰めて歩くことをお勧めします。巻き道を使うと雄滝の上部に行くことになり、雌滝や白波大神や石碑群を見るためには滝横を下降しないといけません。


白波大神の石碑のある広場にもニリンソウが群生しています。ネットで調べてもこの場所がどのような経緯で造られたのか詳細は不明ですが、何らかの宗教行事(滝行など)が行われていたのだと思います。それにしても不動明王像を始め、雌滝・雄滝周辺にはかなり多くの石碑群を見ることができます。年代的には昭和初期のようですが、非日常的な空間です。



雄滝の横を上がると巻き道と合流します。その後、道を少し進み雄滝の落ち口に下りましたが、落ち口周辺にも石碑が数点ありました。今回は登山道に戻らず、そのまま沢を二股分岐まで歩きました。小滝がある程度で危険な個所はありません。








この谷筋には、数か所支谷との分岐がありますが、原則右股を進みます。道標には、左股への説明もありますが、私はまだ未踏です。目印となる砂防ダムまでは、沢を進みますが倒木があり荒れた印象で、日差しが無いとかなり薄暗くなると思います。

砂防ダムを越えると谷幅が広がり明るい感じの道が続きます。

大きな砂防ダムを巻き上がり沢沿いに進むと令和楽音寺道と楽音寺道との分岐があります。今回は、鍋谷山へ立ち寄る予定だったので楽音寺道方面に向かいました。分岐右折後、まもなくモノレール軌道が現れるので間違えることはないと思います。



ネットの情報によると、かつて花卉栽培が盛んで、鍋谷山を中継地点とし、モノレールやケーブルで搬出していたそうです。ちなみに上の写真の分岐地点を左に行くとモノレール小屋(廃屋)が残されているそうです。

鍋谷山を確認した後、下の写真の分岐まで戻り令和楽音寺道へ向かいます。

令和楽音寺道への入路付近には、多くの道標プレートがかかっていて見ようによってはわかり辛いような気がします。方向に迷いがある場合は、地形図やGPSでよく確認して下さい。道はよく整備して下さってるので危険個所はありません。




分岐を令和楽音寺道方面へ入ると斜面を登る道が続いています。途中に「下駄返し」と名付けられた大きな岩への分岐があり、少し歩くと見ることができます。大岩の横を管理道へ抜けることができそうですが、分岐まで戻る方が安全そうです。
「下駄返し」と名付けられた大きな岩は、さほど珍しい感じではありませんが、横を回り込んで上部に上がってみました。上部からは少し視界が開けていましたが、絶景が見れると言う訳でもありませんでした。
「下駄返し」に立ち寄った後、分岐まで戻り管理道へ向かうと途中に「おじぎ岩」と名付けられた岩がありました。


令和楽音寺道も笹薮などに覆われて、刈込など整備されていないと藪漕ぎだったと想像されます。

令和楽音寺道から管理道に合流した後、鳴川峠に向かい歩きました。この管理道は、みずのみ園地となるかわ園地を結ぶ「なるかわ、あきぐみ管理道」というそうで、この日も数組のハイカーが歩いておられました。途中にある六万寺トンネルが、みずのみ園地となるかわ園地の境界になっているようです。
管理道を離れ鳴川コースで鳴川峠に向かい、生駒縦走歩道でなるかわ園地のぼくらの広場に行きました。
ぼくらの広場で大阪市街地方面の眺望を見ながら遅めの昼食を摂って、暗峠から寶山寺を経て近鉄生駒駅へ下山しました。

