天翔ける鈴鹿の尾根(霊仙山)
鈴鹿山脈の北端に位置する霊仙山は、北側に伊吹山と対峙する形でそびえ立っています。標高は1094mとさほど高くありませんが、石灰岩質の地質で山頂部は広大なカルスト台地が広がっていて、御池岳や藤原岳同様、近畿の山々ではなかなか見ることができない雄大な山容です。花の百名山でもあり、初春の福寿草やセツブンソウ、春のヤマシャクヤク、エビネ、ヒメレンゲ、ニリンソウなど多くの山野草を見ることができます。また、秋の紅葉時期も美しく、冬季は雪山を楽しむこともできます。
榑ヶ畑コース、谷山谷コース、今畑コース、柏原コース、梓河内コースやバリエーションコースもありますが、今畑廃村跡から笹峠、近江展望台、南霊山を経て最高点の続く西南尾根を辿る今畑コースが好きです。今回も今畑登山口を起点に笹峠から西南尾根を辿り霊仙山最高点、三角点を踏んで、榑ヶ畑コースから今畑登山口へ周回してきました。

今畑廃村跡から杉峠までは、主に自然林の森の中を歩きます。山腹を辿る道なので眺望はありませんが、新緑の時期や紅葉時期は清々しい道です。道はよく踏まれていて整備もされているので危険な個所はありません。県道から今畑廃村跡、杉峠まで思いのほか勾配がきついのでペース配分に気をつけて下さい。今畑廃村跡に関しては、『廃村の今(霊山今畑集落跡)』をご覧ください。









杉峠から近江展望台までの西南尾根南端部がこのルートの核心部と言えます。笹峠から斜面中ほどのテラスまでが特に勾配がきつく、カルスト地形の岩場と粘土質の滑りやすい土質が足元を不安定にしています。一見どこでも歩けるように見えますが、ルートを見定めないとすぐに行き詰ってしまうので注意して下さい。露出した岩もとても滑りやすい岩質なので注意が必要です。また、浮石は少ないですが、落石にも十分注意が必要です。
近江展望台から続く西南尾根の西側は、山頂台地が広がり南霊山周辺には低木の森があります。東側は行者の谷に向けて急峻な斜面が広がっています。お天気が良い日は、まるで天空を歩いているような素晴らしい尾根道です。ただ、石灰岩が露出して非常に歩き辛く、足首をひねり易いので注意して下さい。また、花の百名山に相応しく、この尾根には四季折々多くの山野草が花を咲かせます。『隠れた花の百名山』をご覧ください。
霊仙山には、いくつかのピークがあります。南から南霊山(南霊岳)1030m、霊仙山・最高峰(南霊仙)1094m、霊仙山・三角点(中霊仙)1083.5m、経塚山(北霊仙)1040m、そしてこれらのピークに囲まれるように山頂部のカルスト台地が広がっています。
























