春の女神と花の百名山(大和葛城山)
金剛山と同様に、大阪や奈良の都心部から手軽に行くことができる大和葛城山。金剛生駒紀泉国定公園内にあり、金剛山を含む葛城山脈を総称して葛城山と呼び、大和葛城山は大和国では戒那(かいな)山、天神山、鴨山、河内国では篠峰(しのがみね)と呼ばれていました。山頂付近は葛城高原と呼ばれ、ヤマツツジの開花時期には多くの人が訪れることで知られています。日本三百名山、花の百名山にも選定され、自然の保護にも積極的で多くの山野草が咲くことでも知られています。
また、環境省レッドリストの絶滅危惧II類(VU)に指定されているギフチョウ(岐阜蝶・学名 Luehdorfia japonica)が多く生息しています。公的な機関などもギフチョウや山野草の保護活動に積極的で環境整備や、盗掘や不法採集の防止のための活動を行っています。大和葛城山で行われていることが、なぜ隣の金剛山ではできないのか、はなはだ疑問で残念な限りです。
今回は、天狗谷道から山頂へ向かい、山頂付近で春の女神と呼ばれるギフチョウを探してみました。道中では、多くの春の花が咲き、葛城高原では広範囲でカタクリが咲いていました。
旧国道309号青崩から水越峠バス停まで路上駐車の車で溢れかえっていました。この日は、平日で金剛バスも運休日でしたが、休日はバスが運行されます。例年、花の咲く時期、特に大和葛城山のツツジが咲き始めると酷い状態になります。この日も取り締まりのためか分かりませんが、パトカーが2台停まっていて、警察官も4名見回っていました。登山者のマナーが問われる昨今です。
今回は幸い水越峠バス停横の駐車スペースに1台空きがあり停めることができました。天狗谷道は、青崩に登山口があるので旧国道309号で青崩まで歩きました。下の写真は、旧国道309号沿いで見ることができた花です。
旧国道309号の石筆橋付近から国道をまたぐ道で天狗谷道へ向かいます。
天狗谷道は、国道309号の青崩から大和葛城山へ向かう道で、天狗谷に沿って続いています。道はよく整備されていて、若干の倒木や法面の崩落がありますが、大きな危険個所はなく安全に歩くことができます。
沢沿いの道から尾根へ取付き山頂方面へ道は続きます。尾根道もよく踏まれていて安全に歩くことができます。途中、弘川寺方面からの道などが合流してきます。ダイトレ合流近くでは、ショウジョウバカマの大規模な群生地が数か所ありました。
ダイトレに合流した後、自然研究路などを少し探索しました。
今回の目的だったギフチョウは、晴天の日に多く飛翔すると言われています。この日は、薄曇りで飛翔するギフチョウも少なかったように見えました。できれば、カタクリやミツバツツジで吸蜜する姿をカメラに収めたかったのですが…(笑)
この時期、山頂付近で多く見ることができるのは、カタクリの花です。一部の自然研究路、葛城高原(山頂付近)、つつじ園など広範囲で自生しています。この日もフデリンドウやミツバツチグリなど多くの花が咲いていました。