深山にはにかむ紅花(学能堂山)
学能堂山(がくのどうやま)は三重県と奈良県の県境にある山で、三重県では「岳の洞(がくのどう)」と一般的に呼ばれているそうです。山頂からの展望に良く、山容もどっしりとしていて目立つ山です。かつて山頂に文殊菩薩が祀られ、知恵を授かるためにの信仰があったことが山名の由来とされています。
この時期、希少種のベニバナヤマシャクヤク(紅花山芍薬)が咲く山としてもよく知られていて、1年中で6月がもっとも登山者が多くなります。例年、大峰山脈の観音峯山へ見に行っていましたが、今回は学能堂山へ見に行くことにしました。お天気の関係で日曜日に登ることになり、駐車に困らないように少し遠くなりますが、三多気の桜駐車場に止めることにしました。

国道368号線から真福院の山門に至る約1.5kmの参道は、馬子唄にも歌われたヤマザクラの名所で、桜並木は国の名勝に指定され、「日本さくら名所100選」にも選定されています。この桜の名所を『三多気の桜(みたけのさくら)』と言います。駐車場から登山道(林道)まで約1.7km余分に歩くことになりますが、林道の駐車スペースは、10台程度のようなので、迷惑駐車を避けるためには三多気の桜駐車場に止めることをお勧めします。(参考:駐車場→林道駐車地=約20~25分)

林道駐車地から林道終点までは、車も走行できる整備された林道です。急登を避けるように九十九折れして道が造られているため、足への負担も少なく歩くことができます。植林地は枝打ちされ、林床も明るく美しい杉林が続きます。

















◎学能堂山山頂からの景色
◎ベニバナヤマシャクヤク(紅花山芍薬)
純白のヤマシャクヤクは、清楚で上品な貴婦人という表現がピッタリですが、ベニバナヤマシャクヤクは、山の中でこんな色の花が咲くのかと思う程、艶やかで存在感のある花です。花言葉は、威厳、荘厳、はにかみ。
◎この日出会った花々
大峰の観音峯山と違い立ち入りを制限すること無く自由に花を見ることができます。その分登山者のマナーがより問われることをちゃんと自覚しないといけないですね。ベニバナヤマシャクヤクの他にもイナモリソウやコアジサイなど多くの花々が出迎えてくれました。ただ、杉平からのルートは、ほとんどが植林地帯で単調な林道歩きが続くのが少し残念でした。次回は、三峰山からの縦走か上村登山口から歩いてみようと思います。
尚、下山は林道終点の広場から林道ではなく谷に沿って下る道を歩きました。林道のように整備された道ではなく一般的な山道でした。このルートを利用する時は、登りと下りで二つの道を歩かれる方が多いようです。






