文殊の岳の洞(学能堂山)
昨年初めて登った学能堂山(がくのどうやま)に今年もベニバナヤマシャクヤクを求めて行ってきました。高見山地に属し標高1021mで関西百名山に指定されています。昔、山頂に文殊菩薩が祀られ、知恵を授かるためにの信仰があったことに由来しているといわれ、三重県では「岳の洞」とも呼ばれています。山頂は360度の展望があり、三峰山や高見山、大洞山や尼ヶ岳、室生火山帯の山々などを一望することができます。

ベニバナヤマシャクヤクが咲くこの時期は、近年の登山ブームもあり休日はもちろん平日でも林道の駐車地(路駐)は、早い時間に埋まってしまいます。平日だったので満車の心配はないと思いましたが、今回も三多気の桜駐車場(無料)に停めて歩きました。





この山域の植林地は、昔から林業が盛んだった美杉町らしく枝打ちなど手入れが行き届いていて林床まで日差しが入り込んでいます。林道歩きがメインとなるので単調で山歩きとしては物足らないのですが、思いのほか自然が豊かです。花期は終わっていましたが、ベニバナヤマシャクヤクの小さな群生地もあります。また、この時期には、コアジサイが多く咲き、イナモリソウも見ることができます。
林道終点地から杉平峠までは、植林地の中を浅い谷に沿って急登しなければいけません。それまでの楽な林道歩きと比べ、足に堪える急登が続きます。道自体はよく踏まれていて大きな危険個所はありませんが、勾配がきついので足元には注意が必要です。

急登を終え杉平峠に到着するとなだらかな尾根を歩きます。

杉平峠からの登りを終えると一気に展望が開けます。山頂部は平坦な台地状の地形になっていて、三峰山や高見山、大洞山や尼ヶ岳など、周辺の山々を一望できます。ベニバナヤマシャクヤクは、特にロープなどで保護されているわけではなく、台地状の山頂部にかなりの数が自生しています。他にもバイカウツギやタンナサワフタギなどが咲いていました。









下山は登ってきたルートではなく杉平山を通る尾根を下ることにしました。地形図にも破線がありますが、表記の無い林業道も多く、踏み跡も薄くなっていました。途中から破線ルートを離れ下りましたが、かなり急勾配の尾根道でした。バリエーションルートですが、目立った見所もなくお勧めできる道ではありません。歩かれる方は地形図やGPSを携行する方が良いと思います。


