美杉に聳える秀峰(大洞山)
数年前からベニバナヤマシャクを見に学能堂山を登るようになりました。駐車に利用したのが、さくら名所100選、国の名勝に指定されている「三多気の桜」の駐車場でした。その駐車場から学能堂山より近くに聳える山、それが大洞山でした。行くたびにいつか歩いてみようと思っていたのですが、なかなか機会に恵まれなかったのですが、今回歩いてきました。
津市(三重県)では、恵まれた自然環境を生かし「美杉森林セラピー基地」として市内各所にハイキングコースなどを整備しています。今回歩いた大洞山、尼ヶ岳周辺もハイキングコースが整備されていて安全に山歩きを楽しむことができます。大洞山は、角度によっては独立峰に見えますが、雌岳と雄岳ふたつのピークを持つ雄大な山容の山です。下記の写真は、西側に聳える日本ボソから見た大洞山と尼ヶ岳です。



学能堂山に登る際、利用させていただく三多気の桜駐車場から三多気大洞山コースと呼ばれている道を歩きます。

御嶽山真福院は、三重四国八十八ケ所霊場の第七十一番とされ、白鳳時代(670年頃)役行者がこの地へ蔵王権現を祀られたのが、当山の草創と伝えられています。平安末期から室町末期(1180~1570年頃)までは蔵王権現の霊場として栄え、平清盛、北畠親房らも参篭したこともあるといわれています。山門前には鎌倉期の石仏、石碑が群集しており、山門まで約八キロにわたり桜並木が整備されました。また、県指定天然記念物の『真福院の大欅』を初め、杉などの巨木が境内にも多く見ることができます。

大洞山や尼ヶ岳周辺には、三多気大洞山コースなどのハイキングコースや林道、県道が通っていて多くの分岐があるようです。大洞山へ登る道も東側からアクセスする道は距離も短く勾配もやや緩やかなようです。今回は、南側から直登するコースで勾配もきつく健脚向きと言っても良いかもしれません。道はよく整備されていて、階段状に敷き詰められた石段が山頂近くまで続いています。



布引山地の南端にそびえる大洞山は、雌岳と雄岳になる連山で、山名の由来は、真言宗の末寺である真福院を訪れる修験者が持つホラ貝に山並みが似ているからであると言われています。北側の尼ヶ岳とともに室生火山群に属していて、山麓では大洞石という火山特有の軽石に苔がついた風景を見ることができます。また、カタクリの群生地やエイザンスミレ、各種高山植物が自生する自然豊かな森と美しい眺望に恵まれていることで知られています。山頂からの眺望も素晴らしく、特に西側には、美杉町太郎生の集落、倶留尊山や日本ボソなどの荒々しい山並を眺めることができます。
尚、雌岳には三等三角点が設置されていて、山名も「大洞山」で標高は984.8mで登録されています。



雌岳から雄岳までは、少しアップダウンがありますが、十数分程度の行程で行くことができます。
雄岳も雌岳同様に眺望がよく伊勢湾も望むことができます。雌岳と違い、雄岳には三角点の設置はありません。



雄岳から一旦暗部まで下り、その後、四ノ峰(P894)、三ノ峰を経て、大洞山石畳コースとの分岐まで道が続いています。


