赤子谷周回(六甲山地)
2020年5月にネットを見て興味を持ち歩いた裏六甲の赤子谷へ行ってきました。前回は、赤子谷の左股を遡行してゴルジュを通過した後、直進して支谷を遡行してしまいました。今回は、左股の本谷をちゃんと遡行したくて歩いてみました。また、JR生瀬駅から県道51号宝塚唐櫃線の車道歩きを避けたくて、住宅街から生瀬水路道を通って赤子谷へ向かうことにしました。

大阪府山岳連盟の登山インストラクターの認定継続講習会の時期ですが、頚椎症を再発のため参加できないため、勉強のために赤子谷周辺の概念図を作成してみました。本来は、自分の頭の中に描くことができないといけないのですが、どうも絵が苦手な私はIllustratorで作成してしまいます。

JR生瀬駅には、多くのハイカーが集まっていましたが、皆さんは福知山線の廃線敷きを目指されるようです。


生瀬水路道は、周辺の山から生活用水などを確保するために造られた水路だということです。地形図には表示がありませんが、地元の方々はハイキングや散歩など憩いの道として利用されているようです。道は整備されていて危険な個所はありませんでした。

生瀬水路道から赤子谷の東側尾根に取付いて入渓部へ向かいました。下山時は、県道51号宝塚唐櫃線からの入渓部を通りました。どちらの入渓部も少しわかり辛い場所にあるので、あらかじめ地形図などで確認される方が良いと思います。



赤子谷へ入り少し歩くと左股と右股の分岐にあるケルン(石積み)に出合います。この日は、左股を登り右股を下りました。右股は、すぐに沢沿いに進まず、写真正面の尾根に一度上がります。左股は、すぐに沢沿いを歩くことになりますが、いくつか堰提を越しながら進みます。
沢沿いに進むと徐々に谷幅が狭まってきて、目の前に水の流れる姿が美しい赤子滝が現れます。シャワークライミング覚悟なら直登できそうな滝ですが、滝右側の小さなルンゼにロープが張られています。注意して進めば問題ありませんが、足元には注意して下さい。



赤子滝を過ぎると一旦谷幅は広くなりますが、またすぐに幅が狭くなってきます。左岸の斜面に多段の岩肌を水が流れ落ちる滝が見えてくると赤子谷左股の有名なゴルジュ帯はすぐそこです。水量は少ないですが、この多段の滝も結構いい雰囲気です。

赤子谷左股の見所の一つがゴルジュ帯です。数十メートルの短い区間ですが、谷幅が一気に狭まり独特の雰囲気を醸し出しています。元々水量の多い沢ではないので、ゴルジュ通過に大きな支障はありませんが、大雨の後等水量が多くなると通過することが難しくなる可能性があります。沢装備での遡行でなければ、大雨直後の遡行は避けた方が良いかもしれません。
ゴルジュ帯を抜けると谷は右方向に大きく湾曲しています。正面にも進路があり、大きな岩に目をやると赤いペンキのマークがあります。前回遡行した時は、このペンキマークに誘われ直進しました。しかし、本谷はみぎがわの谷に沿って続き、その先で大きく左側に再度湾曲しています。よく見れば、お助けロープを見ることができます。

ゴルジュ帯通過後の正面に見える支谷は、『裏六甲の谷道(赤子谷左股)』をご覧下さい。

赤子谷左俣は、ゴルジュが有名ですが、小滝が連続する綺麗な沢風景も見所の一つだと思います。そこそこ大きな滝は、赤子滝だけですが、ゴルジュ通過後の連瀑帯は雰囲気が良いと思います。沢装備だったらジャブジャブ自由気ままに歩くことも可能ですが、一般の登山靴でも大きな危険個所もなく、楽しく遡行することができると思います。(但し、沢に慣れていないからは足元に注意して下さい)


赤子谷には、谷道以外に尾根道も数ルートあるようです。岩倉山、譲葉山周辺には、地形図にも多くの破線表記があり、歩いていると道らしき踏み跡を見ることができます。前回歩いた左股の支谷も谷を詰めると別の尾根道に出合いました。地形図やGPSで確認しながら歩くようにして下さい。


岩倉山は、兵庫県宝塚市六甲山地の東縦走路上にある標高488.4mの山です。山名は「神が座す磐座(いわくら)」に由来していると言われていて、今も小規模な神室があります。山頂からの眺望はありませんが、近くの展望地からは、甲山や西宮、大阪方面を見渡すことができます。


譲葉山には、西峰、中峰、東峰、北峰と4つのピークがあります。地形図には北峰に譲葉山の記載があり、東峰に514mの標高表示があります。北峰には磐座があり、岩倉山と共に古来の信仰を感じることができます。

譲葉山の北峰近く六甲の縦走路から赤子谷右股への分岐があります。


赤子谷右股は、左股に比べると、序盤は水の流れも少なく浅い谷沿いの道が続きます。勾配もゆるく踏み跡もはっきりしていて大きな危険個所はありません。ただ、浅い谷だけに地形図などで進む方向を確認することを疎かにしないようにして下さい。

上の写真の箇所辺りから西側から延びてくる谷と合流します。それまでとは異なり谷はやや深さを増し、沢の水の流れも顕著になってきます。徐々に谷らしさを見せ始め、堰提も現れます。崩落個所もあり一部道が不明瞭な個所もありますが、原則沢沿いに道が続いています。



右股、左股分岐からは、朝歩いた生瀬水路道へは向かわず、県道51号宝塚唐櫃線方面へ向かいました。


予定より早く下山できたので、JR生瀬駅へは向かわず福知山線の廃線敷きを歩いてJR武田尾駅へ向かいました。

