裏六甲の谷道(赤子谷左股)
裏六甲の蓬莱峡で岩場の講習を受けるようになった頃から、講習とは別に山歩きとして興味を持ったのが『座頭谷』でした。その奇岩風景、豊かな自然環境など興味深い山域でした。その周辺で興味を引いたのが、今回歩いた『赤子谷』でした。最寄駅からのアクセスの良い市街地に近い山域ですが、そこそこの滝があったり、ゴルジュらしい地形もある谷でした。事前の情報では、左右に大きく分岐する箇所の他、縦走路への合流地点も数か所あるとのことでしたが、谷筋を辿る左股を遡行することにしました。
赤子谷の見所の一つに岩壁に挟まれた狭いゴルジュ帯があります。赤子滝を巻き上がり少し上流に歩くと谷幅が急に狭まり数十メートルの区間ですが、ゴルジュと呼べる地形が現れます。この谷は元々水量が少ないようなので、ゴルジュ地帯の歩行に大きな問題はありませんが、豪雨や大雨で水量が多くなると遡行できない場合があるかもしれません。
ゴルジュ帯を抜けると、谷が分岐している地点に差しかかります。右の谷が赤子谷本流で、お助けロープがかけられているのが目に入ります。左側から小滝が流れ込んでいるのが支谷のようです。一般的なルートは右側の本流に沿って遡行するようですが、支谷側にも赤ペンキのマーキングがありました。冒険心を擽られたわけではなかったのですが、元来バリエーション好きなので自然と左の支谷に足が向いていました。
登ったルートも元々歩かれていた道であることは間違いありませんが、分岐直後のザレ場は結構いやらしく登るのに注意が必要でした。取り立てて見所もなく、やはりメインルートの方が楽しかったかもしれません。赤子谷は座頭谷のように開かれた谷ではなく、やや薄暗く小滝が続く穏やかな谷でした。次回は、メインのルートや右股ルート、東尾根ルートなどもう少し探索しようと思います。