屯鶴峯で岩トレ!?
なかなか一人ではできない岩場でのロープワーク練習…できるだけ安全に行える近場を探していました。ロープワークや岩場歩行は一度身につけても繰り返し練習しなくては、いざという時に役に立たない…頭で考えながらではなく、自然とできるようにならないといけないんだと思います。
今年7月に初めて歩いた『屯鶴峯』は、色々な山岳会などが初心者講習(アイゼントレ)などに利用しているのを知り、一度行ってみようと思っていました。日曜日に蓬莱峡で山岳連盟の講習会があるので、少しでもロープに触っておきたく下見に行ってきました。
尚、天然記念物である『屯鶴峯』でトレーニングをすることは環境保護の観点などから問題にならないのか?
後日、奈良県香芝市に問合せしたところ、『規制する法律や罰則は特にない』とのことでした。『ロープワークの練習などはやられても問題ありませんが、岩肌を傷つけるアイゼンなどを利用したトレーニングはやめてほしい』との見解でした。自然の中で楽しむ登山です…自然を傷つけるアイゼントレは規制がないからと言ってどこでもやって良いとは言えないのではないでしょうか。山岳連盟や山岳会の方々も場所を決めてトレーニングすることを指導してほしいものです。




屯鶴峯は奈良県の天然記念物また景勝地として知られています。古くから遊歩道が整備されていて、入り口から屯鶴峯山頂、旧日本陸軍地下壕を巡ることが可能ですが、近年は人が入ることが少ないようで藪に覆われている所も多くあります。今回は岩トレがメインの山行きなので、防空壕址の探索には時間を割きませんでした。一部は確認できましたが、主要部の確認はできず残念でした。季節的には藪が枯れる時期に探索する方が良いと思われます。
先ずは西側の尾根を辿ってみます 西側には、三角点のある寺山が見えます 南東方向に二上山の雄岳と雌岳 山頂近くの朽ちた東屋 屯鶴峯山頂 山頂には鉄塔があります 防空壕の一部
屯鶴峯で岩トレできる場所を物色してみましたが、地質的に火砕流の堆積層が多く、風化も伴いかなり脆くなっています。また、懸垂下降などの支点になる立木も少ない状況です。アイゼンとピッケルでのトレーニングには向いていますが、ロープを使用したトレーニングには適していないと思います。今回は、安全に支点がとれそうな場所で懸垂下降を反復練習してきました。

普段、懸垂下降にはATCガイドを利用していますが、今回は講習で教わったプルージックでバックアップした肩がらみを復習。支点も回収を想定せず、スリング数本とカラビナで構築してみました。懸垂下降での失敗は、練習と言えども即命取りになるので慎重に行いました。蓬莱峡や百丈岩など本格的な岩トレはできませんが、ロープワークに慣れる、ザレた岩場歩きになれるといった目的であればよい練習場所だと思います。※但し、安全確保は十分行うこと、自然を傷つけない配慮が必要です。
