炎天下に舞う白鷺
琵琶湖の南側には、金勝アルプス、湖南アルプスと呼ばれる山域が広がっています。過去に材木の伐採で禿山と化してしまった後、治水、植林などで自然再生事業が行われ、今では自然豊かな山域となっています。6月下旬から7月初旬には、金勝アルプスにはキンコウカ、カキラン、コバノトンボソウ、モウセンゴケなどが咲き、8月中旬から下旬にかけて湖南アルプスでは、サギソウがその白く繊細な姿を見せてくれます。今回は、サギソウの群生する天神川左岸側山域を少し探索した後、右岸側の堂山を周回してきました。










水が豊かな山域にはトンボの種も多く、日本一小さなハッチョウトンボを見ることができます。
まだまだ猛暑が続くのに、湿原に咲く花はどこか涼しげですね。汗だくでシャッター押してました(笑)
そして湿原には、たくさんの白く繊細なサギソウが舞っていました。
今から400年以上も昔、世田谷城主吉良頼康(きらよりやす)には奥沢城主大平出羽守(おおひらでわのかみ)の娘で常盤(ときわ)という美しい側室がいました。常盤姫は頼康の愛を一身に集めていましたが、それをねたましく思った側妾たちは、つくり話によって頼康につげ口をしました。度重なるつげ口から頼康もそれを本気にして常盤姫に冷たくあたるようになりました。愛情を疑われ、悲しみにくれた姫は死を決意し、幼い頃からかわいがっていた白さぎの足に遺書を結びつけ自分の育った奥沢城へ向けて放しました。白さぎは奥沢城の近くで狩をしていた頼康の目にとまり、矢で射落とされてしまいました。白さぎの足に結んであった遺書を見て初めて常盤姫の無実を知りいそいで世田谷城に帰りましたが、すでに姫は息をひきとっていました。その時、白さぎの血のあとから、一本の草が生え、サギに似た白いかれんな花を咲かせました。これがサギソウと呼ばれるようになったのです。(世田谷資料「サギソウ伝説」より)
前回登った時は、矢筈ヶ岳、笹間ヶ岳を周回しましたが、今回は鎧堰堤から堂山を周回するルートを歩いてきました。秋雨前線が日本海側に停滞していたこともあり、南方からの湿った空気が入り、不快指数MAX状態の山行きとなりました。

登山道を通らず沢を登る 迎不動堰提が見えてきました 迎不動堰提…右手の登山道へ這い上がる なかなか綺麗な渓相 暑い!ここで水を頭からかぶりました 水の流れが綺麗だったので、スローシャッター なかなかの貫禄、威風堂々と(笑) 鎧堰堤 新鎧堰堤

湖南アルプスの堂山周辺は、金勝アルプスの山容と同じく風化した花崗岩の岩峰が続きます。短い区間ですが、岩場歩きが好きな方には楽しい稜線が続きます。大きな危険個所はありませんが、堂山から天神川までの下りも岩場通過が多く、足元には注意が必要です。

湖南アルプスと金勝アルプスから近江富士 堂山へ続く岩の稜線 短い区間ですが、楽しめる道です 堂山側から歩いてきた稜線を望む 堂山(西峰)…微妙に鞍部があります 巻き道もありますが、鞍部へ岩場を下降 鞍部から堂山山頂へ岩登り
