感謝の気持ちを持って(孫太尾根)
2014年に初めて孫太尾根のことを知り、その年の4月に藤原岳まで歩きました。フクジュソウ、セツブンソウ、ミスミソウ、ヒロハノアマナ、カタクリ、ニリンソウ、ミノコバイモ、カテンソウ、セントソウ、ヤマネコノメソウ…その他にも多くの山野草が、足の踏み場もないほど咲き乱れているのに感動したことを覚えています。その当時は、登山道の崩落があったこともあり、歩く人もまばらなバリエーションルートでした。急勾配、カレンフェルト地形、ガレ場、浮石など未整備のタフなルートでした。その後、SNSや登山情報サイトの投稿、登山ブームなどで訪れる人が多くなり、今では道も整備され人気のルートになっています。
孫太尾根登山口付近には、その地区の墓地の駐車場しかなく、登山者が増えるにつれ、駐車場は大混乱になりました。良識を持つ人は、最寄りの鉄道駅周辺や青川峡キャンピング公園の駐車場を利用するようになりました。しかし反面、墓地の区画内にまで駐車したり、町内の生活道に路駐する人が後を絶たず、お墓参りや緊急車両の通行に支障が出る事態になりました。
そんな状況に、地元の地主さんが登山口近くに登山者が多くなる花の時期限定で無料の駐車場を提供して下さいました。本来ならもっと強硬な措置が取られてもいたし方ないところですが、本当に感謝すべき神対応をしていただきました。ただ、まだ墓地周辺では、路駐が目立ち、登山者のマナー低下が目立っています。山を登るなら最低限の良心とマナーを身に着けてからにしてほしいものです。
尚、孫太尾根登山口に新たに提供された駐車場に関しては、下記を参照して下さい。また、新町墓地の駐車スペースは、利用者の少ない時は、駐車しても良いようですが、原則、自治会墓地の駐車場です。また、周辺の道路近辺には駐車しないようにして下さい。登山者用の駐車場に停めることができない場合は、青川峡キャンピング公園の駐車場を利用して下さい。駐車場が提供される経緯については、「マイハウス」さんのFacebookを参照して下さい。

新設された登山者用駐車場から孫太尾根登山口までは、車道を通ることもできますが、地主さんが敷地の山林に道を整備していただいています。これにより登山口までは数分で歩いていくことができます。本当に感謝しかありません。
尚、孫太尾根の最大の魅力は、多くの山野草が咲くことです。今季は残雪が多く残っていることもあり、2週間程度は花期が遅いような気がします。でも、さすがに丸山周辺のフクジュソウやセツブンソウ、セリバオウレンは、花期の終盤を迎えていました。しかし、山頂直下の斜面では、フクジュソウやセツブンソウが咲き始めたばかり、山頂付近はまだ雪の下でした。ミスミソウやヒロハノアマナなどは花期が長いので、これからまだ楽しむことができます。そして、孫太尾根では、ニリンソウ、ミノコバイモ、カタクリ、ヒメウズ、カテンソウ、ヒトリシズカ、ヤマシャクヤクなど次々と花を咲かせる山野草があり、初夏手前までは人出が絶えないと思います。






数年前までは、この「神武社殿跡」から先の斜面は、道らしい道がなく、急勾配、落葉、粘土質の地面で滑りやすくとても歩きにくい場所でした。近年、九十九折れに整備していただき、かなり歩きやすくなっています。

尾根に乗るとカレンフェルト地形が現れ、浮石が多くなり足場が悪くなります。踏み跡も少なく、適当に歩いていましたが、現在は、ルートを導くロープが張られ、露石をステップ上に配置していただいているので、安全に歩くことができます。
多くの方が訪れるようになった孫太尾根ですが、ほとんどの方(7~8割)は、山野草が目当てで「丸山」から「草木」で折り返されます。道の整備も「丸山」まででそれ以降はアップダウンのある尾根道を歩くことになります。

丸山を過ぎて尾根を歩くと三重県側に太平洋セメント藤原鉱山が姿を現します。いつ見ても悲しい風景です。草木までの道には、分岐が二か所あり、尾根筋を歩く道と山腹をトラバースする道があります。どちらの分岐も道の先で合流しています。

草木には、東峰と西峰の二つのピークがあります。西峰から多志田山との暗部への下りは、少し勾配がきついです。

孫太尾根には、丸山、草木、多志田山などのピークがあり、少なからずアップダウンを繰り返します。その中でも、草木から多志田山へは、高低差もあり一番きつく感じるかもしれません。今年は残雪が多く、多志田山周辺はツリーホールが春の訪れを演出していました。



多志田山から治田峠分岐まで下ると、藤原岳の南端部への最後の急登が待ち受けています。石灰岩の露石と粘土地質が混じる急勾配の斜面は、非常に滑りやすく、また落石が発生しやすくなっています。また、この斜面は、フクジュソウの群生地で未整備のため踏み跡も不明瞭です。花の写真を撮りながら歩かれる方も多く見られます。落石、滑落など注意が必要です。(死亡事故も発生しています)最後は、樹林帯を離れカレンフェルト地形の岩場を歩きますが、今回は残雪もあり、踏み抜き含めて気をつかいました。


昨年は、視界が良好で、山頂台地の向こうには、伊吹山、白山、北アルプス、御嶽山、中央アルプス、南アルプスが綺麗に見えていました。この日は、気温が上昇した上、黄砂が飛来していたようで、全体的に霞んでいて眺望にかけたのが残念でした。
気象条件が良ければ、下の写真のような絶景を見ることができます。(2021年3月18日の眺望)



