大峰の絶景を求めて(柚野山)
数年前に福寿草の自生地が五條市にあると聞いて車を走らせたことがあります。西日本では大規模な自生地は少なく、この西吉野町津越の自生地は、奈良県の天然記念物にも指定されています。その時は、近くに山があることは知っていましたが、自生地だけを散策して山には登りませんでした。今回は、花期を過ぎていることもあり、フクジュソウが目当てではなく、山を目的に行くことにしました。数日前、ネット上の投稿に「柚野山」からの眺望写真が掲載されていて、大峰山脈、奥駈道の稜線の絶景が写っていました。その絶景を是非とも見たくて行くことにしました。

津越地区は斜面に位置していて、道路は非常に狭く離合しにくい道幅です。住民の方にとっては生活に欠かせない道で、緊急車両などの通行に支障が出ると大変なことになります。近年、訪れる人が多くなったこともあり、地元の方が駐車スペースを確保して下さっています。駐車台数は限られていますが、迷惑が掛からないように駐車するようにして下さい。





フクジュソウ自生地は、地元住人の方が周辺の整備をされ、長年に渡り保護活動をされています。多少の補助金はあると思いますが、ご苦労が絶えないと思います。自生地には、補助活動の協力金をお願いするプレートがありました。少しずつでも協力できることはしたいですね。尚、フクジュソウは、予想通り花期終盤でしたが、元気な株もあり日差しを受けて輝いていました。

自生地のある斜面の上には、浄土真宗本願寺派「稱名寺(しょうみょうじ)」があります。小さなお寺で、ちょうど鐘楼が工事通でした。境内には枝垂れ梅が綺麗に咲いていて、櫃ヶ岳、栃ヶ岳の稜線が綺麗に見えていました。
フクジュソウ自生地と稱名寺を探索した後、目的の柚野山へ向かいました。

道は、登山道というより地元の生活道、作業道のイメージが強い道です。

ちょうど地形図のP682には、倒れた鳥居のある神社がありました。荒れた状態でしたが、造りは立派で焚火の後もありました。寺の紋章には、鶴だと思われる鳥が彫られていました。長寿を象徴しているようで、よく使われているそうです。
柚野山までの道は、踏み跡もはっきりしていて歩きやすい道が続きます。ただ、村を結ぶ道なので作業道を含め分岐が多くあります。主要な分岐には、明確な道標がありますが、不明瞭な分岐もあるので注意して下さい。また、この付近は「松茸山」があるようで、期間限定で「止メ山」としているようなので、松茸の季節は通行できない個所がありそうです。


柚野山は、三等三角点「柚野山(ゆのやま)標高:849.69m」が設置されています。山名のプレートも多くかけられているので、思っていた以上に多くの人が登られているようです。そしてお目当てだった大峰山脈の絶景は、素晴らしいものでした。山上ヶ岳から稲村ヶ岳、バリゴヤノ頭、弥山や八経ヶ岳、明星ヶ岳など紀伊半島の屋根を成す稜線を一望できます。この風景は、山主さんが伐採して下さったことでもたらされたものということです。地元の方に愛されている山なんでしょうね。

柚野山でゆ~っくり絶景を楽しんだ後、林道を通って駐車地へ戻りました。その後、この地では有名な女優さんの実家に立ち寄りました。お母さんがお家の軒先で、梅干しや豆などを販売されていて、色々お話もさせていただきました。とても気さくで話好きなお母さんでしたが、『写真を載せるのはあかんでぇ~』と笑いながら仰られていたのでお名前と写真は控えることにします(笑)
