早春の伊吹野に咲く花
スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)は、雪解けとともに春先花を咲かせ、夏まで葉を茂らせたのち地下で過ごす草花の総称です。「春のはかないもの」「春の短い命」というような意味で「春の妖精」とも呼ばれます。代表的な花として、キクザキイチゲ、ユキワリイチゲ、アズマイチゲ、イチリンソウ、ニリンソウ、フクジュソウ、セツブンソウ、エゾエンゴサク、ヤマエンゴサク、ムラサキケマン、カタクリ、ショウジョウバカマ、ヒロハノアマナ、コバイモの仲間などがあります。
伊吹山山麓の村「大久保地区」には、セツブンソウの自生地があります。2月下旬から3月中旬に花を咲かせますが、年々咲く時期が早まり、最近では2月下旬から3月初旬が見頃になっています。これも温暖化が影響しているのでしょうね。加えて暖冬の影響もあり、この日も長尾護国寺のセツブンソウは終盤でした。
セツブンソウ(節分草、学名:Eranthis pinnatifida)は、キンポウゲ科セツブンソウ属の多年草です。スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)を代表する花で、雪解けとともに林床や石灰岩地で花を咲かせます。
フクジュソウ(福寿草、学名:Adonis ramosa)は、キンポウゲ科の多年草で、元日草(がんじつそう)や朔日草(ついたちそう)の別名があります。また、1月1日の誕生花としても知られています。江戸時代より多数の園芸品種が作られているように、古くから人々に愛されてきた山野草です。
〇伊吹山大乗峰 長尾護国寺 / 正式寺号:「惣持寺」
真言宗、伊吹山。開山、慈照上人。白雉2年(651)開創。当初は法相宗で、長尾寺と称し、開山。天長年間(824~833)当地を訪れた弘法大師により真言宗に改宗。仁寿年間(851~53)僧・三修が弥高寺、観音寺、太平寺、長尾寺を一つにして、伊吹山大護国寺を創建したと伝わる。天正年間(1573~91)に焼失し、現在は、長尾護国寺の一坊が惣持寺として跡目を継いでいる。毘沙門堂の本尊・天部形立立像と、本尊の前立像の毘沙門天立像が有名である。(ホームページより転載)
伊吹山麓の静かな村落には、懐かしい風景が広がっていました。早春を飾る花々も日本の原風景を彩ってくれていました。