カレンフェルトの尾根(孫太尾根)
このルートを始めて登ったのは7,8年前で、当時は青川への斜面が崩落を繰り返し登山道は廃道化しあまり人が歩いていませんでした。鈴鹿セブンマウンテンのひとつ藤原岳へ続く尾根ですが、距離も長く、アップダウンも多いためタフ、それに加えカレンフェルト地形のため足元が不安定で、特に藤原岳への最後の急登が大変きついルートです。
その反面、この尾根に自生する花の種類、個体数の多さは、花の百名山でもある藤原岳周辺のルートでも群を抜いています。近年の登山ブーム、山情報の氾濫で徐々に歩く人が増えてきて、今では平日でも起点となる駐車地(地元の墓地)は朝7時には満車になり、休日ともなれば、早朝5時には満車になってしまいます。周囲に他の駐車場がないため、付近の生活道に路駐する車が続出、挙句の果てはお墓の敷地内まで駐車する者まで・・マナーの悪さも目立つようになっています。
今回は、久しぶりに早起きして登山口に朝6時半頃到着しました。平日でしたがそれでも8割方車が止まっていました。
尚、この日出会った山野草は、『春を装う孫太尾根(孫太尾根)』を是非ご覧下さい。



以前と異なり、ルートの要所要所に道標が設置されていて、数か所ある分岐が明確に分かるようになっていました。また、丸山直下などカレンフェルトの斜面にはロープが張られたり、足元が整備され歩きやすくなっていました。いなべ市の方針だと思いますが、道迷いや滑落のリスクは軽減され、植生保護にも寄与すると思います。このような地元の自治体、住民の方々の好意に応えるためにも山に入る際のマナーに一人一人が気を配らないといけないですね。

丸山周辺から草木にかけてのカレンフェルト地帯には多くの山野草が自生しています。基本尾根筋を歩けば道に迷うことはありませんが、ピークを辿らずトラバースする道もあります。以前は道が不明瞭な個所もあり、道迷いすることがありましたが、現在は分岐に道標が設置されていますので、道迷いのリスクはないと思います。


多志田山から藤原岳の山頂台地へは、カレンフェルトと泥土の滑りやすい急斜面を登ります。このルートの一番厄介な区間です。この斜面だけは、道の整備もされていないので足元には十分注意して歩くようにして下さい。ルートをピストンする場合は、特に下りに注意が必要になります。また、この区間には、フクジュソウとセツブンソウの群落があります。


このルートを歩く最大の目的は、セツブンソウ、フクジュソウに代表される早春の花々探索です。この日はそれ以外にもうひとつ素晴らしいご褒美がありました。山頂台地に到着して目に飛び込んできたのが、白山やアルプスの白く輝く山並みでした。空気が澄んでいて遠くまで視界が効く天候で、風も穏やか、雲もほとんどなく青空に浮かぶ白い山並みは最高でした。






