万葉の道一目千本(吉野山)
2年ほど事後との関係でブランクもありましたが、山を歩き初めてこの5月でやっと10年が経ちます。近畿地方周辺の低山しか登っていませんが、それでもまだまだ登れていない山の方が多いですね。
大峰や台高、大台ケ原は何度の足を運びましたが、吉野山には一度も行っていませんでした。人混みが嫌いなので観光地に接した吉野山には足が向かなかったのが正直なところです。
『一目千本』と呼ばれる桜の名所を一度は見ておこうと平日の天気の良さそうな日を狙って歩いてきました。大峰や大台ケ原に行った時にいつも立ち寄る梅谷酒造元さんがある吉野の宮滝から、吉野山まで万葉の道と呼ばれる古の道があることを知りその道を歩くことにしました。




『吉野宮滝万葉の道』は、万葉の故地・宮滝から世界遺産の吉野山をつなぐ小径を辿るコースです。天武天皇・持統天皇・聖武天皇らの行幸があった飛鳥・奈良時代の離宮「吉野宮」「吉野離宮」で知られる宮滝から『万葉集』に詠まれた象の小川に沿って、よく手入れされた人工美林が続く山道を抜けて、修験道の聖地・吉野山へといたります。道中では、美しい滝姿の高滝、聖徳太子の伝説が残る稚児の松地蔵などを楽しむことができます。1300年前の離宮跡(宮滝)と世界遺産とを結ぶハイキングコースです。

桜の名所として吉野は古来より全国に知れ渡っています。吉野の桜の由来は、修験道の開祖役行者(えんのぎょうじゃ)が、修行によって日本独自の仏である金剛蔵王権現を祈りだした時、その姿をヤマザクラの木で刻みお祀りしたことに始まると云われています。以来、花見のためにではなく、蔵王権現や役行者に対する信仰の証として、信者たちによって献木として植え続けられ、現在の花の吉野ができたと云われています。吉野には3万本の桜があるといわれていますが、大正時代に吉野の史跡と桜を保護するために設立された公益財団法人吉野山保勝会が、約50haにも及ぶ桜樹林を管理しています。
吉野山のシンボルであり、修験道の総本山『金峯山寺』その蔵王堂は正面5間、側面6間、高さ約34m、檜皮葺きで、東大寺大仏殿に次ぐ木造大建築物です。蔵王権現像(重文)3体がまつられ、本尊は高さ7mにもおよびます。

吉水神社は、もとは吉水院と呼ばれる金峯山寺の格式高い僧坊でした。明治の初め、後醍醐天皇、楠木正成、宗伸法印をまつる神社に改められました。源義経が静御前や供のものと逃げのびてきたのも、太閤秀吉の花見の本陣となったのもここです。入山料を200円納めると 太閤秀吉の花見の本陣とされる場所から「一目千本」の絶景を見ることができます。





「金峯神社」は、奧千本にある神社で、吉野山の地主神、金山毘古命(かなやまひこのみこと)が祭神です。また、修験道の行場で藤原道長も祈願したとされています。境内から3分ほど下ると、義経が弁慶らと追っ手から逃れるために隠れた義経隠れ塔があります。







