年に数回の岩場トレ(蓬莱峡)
ソロで山を歩く自分にとって不意の事態に対応できるように年に数回、蓬莱峡で岩場歩きとロープワークの練習に行っています。普段の山行きに持って行く装備品(簡易ハーネス用ロープ、スリング&カラビナ×数セット、フリクション用ロープ、ツエルト)を想定して、蓬莱峡の緩斜面で反復練習。低い位置での岩場トラバース、緩斜面の上り下り、懸垂下降など。最後にツエルト設営して終了です。でも、実際には、岩場よりザレ場や草付きの急斜面での対応の方が、遭遇機会は多いのですが・・。また、バリエーションや沢歩きの際には、20~30mロープも携行するようにしています。

蓬莱峡周辺には、駐車場がありません。休日は、阪急バスが最寄りの知るべし岩BSに停車しますが、平日はバスは運休しています。そのため、JR生瀬駅から県道51号宝塚唐櫃線を歩いて蓬莱峡へ行きますが、交通量が多い上、歩道が無いため注意が必要です。

人気の蓬莱峡なので平日でも講習などがあると個人練習しにくいのですが、この日は一日中完全貸し切り状態でした。クライミングしない私にとっては、マイペースでのんびり練習できることが一番です。

緩斜面での岩場歩行の前に、岩壁下部でのトラバースをします。大屏風岩、小屏風岩どちらの岩壁でも練習できますが、貸し切り状態だったので、トラバース距離が長い大屏風岩の壁面で練習しました。クライミングを目的としない山行きでの「不意な場面」のほとんどは、岩場ではなく、ザレ場や草付きの急斜面、藪漕ぎです。常時ロープを持参している訳でもなく、足がかりや手がかりの判断などを的確に行えることの方が重要です。その点では、トラバース練習は皆さんにもお勧めしたい練習です。簡単そうに見えて、十数メートルを落ちることなく渡りきるのは、意外と難しいです。
トラバース練習を数回繰り返した後、緩斜面に移動して、ロープで安全確保した上で、登りと下りの反復練習を行います。ハーネスやATCは持っていますが、普段の山行きでそれらを持参することはないため、緊急用に簡易ハーネスを作ることができるロープとスリングをたえずザックに入れています。それらを使って岩場練習をします。また、ザックは担いだままです。
専門的な講習を受けた訳ではありませんが、最小限のロープワークは受講しています。ただ、常時ロープを使用している訳ではないので、蓬莱峡では反復して練習するようにしています。その中でも、セルフビレイに関する意識を絶えず持つようにしています。スリングとカラビナがあれば、いろんな場面でセルフビレイをできますね。


岩場歩行だけでなく、一般的な登山道でも下りは歩行技術の差が出ると言われています。登りは技術面より心肺能力的なことで歩行速度に差が出ますが、下りは足の運び方やテンポなど技術的なことで差がつきます。岩場歩行の練習では、限界まで足全体でフリクションを感じながら歩くようにしています。つま先を横にして体重を受けようとしてしまいがちですが、登山靴のフリクションを信用してつま先を真っすぐ前に向けるように心がけています。
緩斜面の上り下りを反復練習した後、懸垂下降の練習をします。懸垂下降の際もハーネスではなく、簡易ハーネスで行います。また、普段はATCを持ち歩いていないので、肩がらみでの懸垂下降をメインに行っています。ただ、バリエーションや沢登りなどの時は、20~30mのロープを持って行くことが多いので、ATCでの練習も行っています。
一通りの練習を終え、ロープを回収した後、ツエルトを設営して休憩します。年に数回のトレーニングですが、山を楽しむための最低限の自己啓発だとこれからも続けたいと思っています。最後に個人的な意見ですが、蓬莱峡(屏風岩)はクライミング練習ができる貴重な場所ですが、周辺の風化した花崗岩が織りなす奇岩風景も貴重な景観です。アイゼントレを行う場所も少ないんだと思いますが、本当に山が好きなら、技術面だけでなく自然環境にも配慮してほしいと思います。

