整備された拂底山(星田連山)
最近、ネット情報に星田連山周辺の道が整備されていると投稿されています。星田連山の中でも最も登頂しにくい山とされていた拂底山も大規模な整備がされたと聞いていました。一部の写真(工事看板風)で、下記のような内容で整備がされたとされています。
工事名:登山道整備工事
発注者:なし
請負金額:0円
担当者:上村組、吉田組
令和3年6月吉日
あくまで推測ですが、藪で覆われ、道がほぼ喪失していた拂底山を憩いの場にするために、地元の方、山主さんが整備していただいたのではないかと思います。そうであれば、多くの方が歩く里山では非常にありがたいことで感謝しかありません。
ただ、ご存じのように日本の山は、国有林、地方自治体の営林、そして多くは個人や企業の私有地です。登山道などの整備は、地権者の方もしくは地権者から依頼を受けた方が行うものです。登山者が無断で木々を伐採したり、草刈りをすることは犯罪になります。まして国立公園や国定公園内では、自然公園法でも規制されています。登山とは、他人の庭を歩かせてもらっているようなものです。そのことを忘れてはいけないと思います。
話が少し脱線しましたが、GPSと地形図を頼りに幾度と探索した拂底山(ボッテ山)の整備状況を確かめてきました。拂底山へのアクセスは、国道163号逢阪から農道を歩き西側からアクセス、星田山から皿谷山、東拂底山を経て東側からアクセス、星田新池から拂底谷を遡上して源頭部手前の二股から尾根伝いにアクセスする大まかに3通りあると思います。以前は、どのルートも草木、特にイバラに覆われ、藪漕ぎしながら道を探していました。

ザックを担がないウォーキング同様、今回も自宅から歩くので、四條畷駅近くから河内飯盛山を登り、むろいけ園地を抜けて国道163号の逢阪へ向かいます。逢阪からは農道を歩いて拂底山の西側の取付きまで。拂底山周辺には、現存する農道以外にも農業用に使われていた道があったようで、取付きまでにも東拂底山への分岐があります。

西側からの道は、以前から利用していた道ですが、分岐付近はイバラが群生していて、夏場になると通過するのに苦労していました。そのイバラの群生地は、道に沿って刈り取られていて平坦な道が続いていました。

取付きからの道は、以前から踏み跡は明確な尾根道でしたが、適度な伐採で歩きやすくなっていました。

整備前の山頂は、木々に覆われて少し薄暗い感じでしたが、数本の樹木が伐採され明るく広場のように整備されていました。竹製のベンチのほか、掃除用具などが置かれた場所もあり、憩いの場の雰囲気がある山頂に変貌していました。山頂からの道は、以前と同様でした。北側の拂底谷への道標も設置されていたので、荒れていた拂底谷も道が整備されているのではないかと思われます。

今回は、私市方面へ縦走する予定だったので、拂底谷へは下らず、東側への道を歩きました。以前は東拂底山から拂底谷へ下った後、この斜面を直登していましたが、こちらもよく整備されていました。

短い区間ですが、九十九折れ気味に直登を避けて道が整備されています。


東側の取付き箇所は平坦な個所ですが、以前は草木に覆われた広場のような場所でした。以前は、この場所は通らず、拂底谷の源頭部を少し下って、東拂底山へ続く道を利用していましたが、草木が刈り取られ立派な道が造られていました。


整備された道を少し歩くとすぐ分岐に出くわします。逢阪からの農道からの道が右から合流しています。拂底山に登らずこの分岐へ歩いてくることができます。この分岐も以前はこれほど明瞭ではありませんでしたが、今は道標もあり迷うことは無さそうです。

分岐を星田山、皿谷山、北山師岳方面(左)へ歩くとすぐ斜面を上がる道があります。斜面上の尾根に上がると左側に東拂底山があります。この日は、東拂底山を確認した後、星田山に向かいました。

今まで星田連山の中でも到達しにくい山として知られていた拂底山ですが、整備していただいたことで誰でも登ることができる山に変貌しました。過度な整備には賛否両論あると思いますが、先に記述した通り、地権者の方、地元の方々が安全に歩くことができるように、そして誰もが楽しめるようにと整備していただいたことには、少なくともお礼を述べるべきだと思います。ご厚意に報いるためにも、是非一度登られてみて下さい。