里山のアケボノシュスラン(河内飯盛山)
標高314.3mの河内飯盛山…週に数回自宅からウォーキングして体づくりをしています。楠木正行と高師直が戦った四條畷の戦いの古戦場、三好長慶が居城にした飯盛城があった山として有名です。近くには、野崎観音(慈眼寺)があり毎年5月には「野崎参り」が催されています。麓には、楠木正行を祀る四條畷神社、その墓所とされる「小楠公」があります。周辺の山域は、石材の採掘場所として多くの石材が採掘されていた時期もありました。大阪城の石垣修復にこの近辺からも多く切り出されたそうで、山の中に採掘跡が点在しています。
そんな河内飯盛山周辺は、自然も豊かで四季折々色々な山野草が咲きます。自生する山野草の中でも、9月下旬から10月中旬まで咲くアケボノシュスランは、小さな花ですがとても可愛い姿を見せてくれます。山頂近くの湿地帯とむろいけ園地(蟹ヶ坂ハイキングコース)付近で、数か所小さな群落を形成しています。
名前の由来は、花の色を明け方の空(曙色)に例え、葉の光沢を織物の繻子に見立てたと言われています。純白に近い白花や中間色の淡いピンク色をした花も多く見ることができます。同じ仲間には、ベニシュスランやミヤマウズラなどがあります。
むろいけ園地の湿生花園には、植栽された山野草を含め、むろいけに隣接する湿地帯に定着した花々が多くあります。サクラタデ、ヌマトラノオ、ツリフネソウ、サワヒヨドリ、キセルアザミ、ミゾソバなどタデ科の植物などを見ることができます。
河内飯盛山は低山で人里にも近いため、植栽された花が野生化したり、外来種が多く山にも入り込んでいます。里山では自然環境の保護にも限界があるため致し方ない現状だと思います。そんな里山の道に咲く花々を少しご紹介します。
里山のアケボノシュスランと出合って10年弱になりますが、群生地は倒木の多い場所で一目に付きにくいため、地元の人でもご存じの無い方が多いようです。近年、周辺にも生息場所を広げているようで株数も増えてきているようです。いつまでも里山でその姿を見ることができることを祈っています。
