木馬道だった細尾谷(金剛山)
金剛山周辺では、昔から林業が盛んで登山道として利用されている道は、林業用の作業道として使われていた道も多くあります。細尾谷周辺(寺谷から香楠荘尾根)も伐採作業が盛んに行われていた山域です。今から15,16年前は、通行が禁止されていた時期もありました。私が金剛山を歩き始めた頃は、まだ伐採材搬出用の木馬跡が少し確認できていましたが、現在では見かけることもなくなりました。そんな細尾谷は、別名シルバーコースと言われ、老若男女問わず安全に歩くことができるルートとして親しまれています。

この日は、のんびり登山で細尾谷(シルバー)で登り、国見城址広場周辺でゆっくりした後、カタクリ尾根を歩いて下山しました。細尾谷もカタクリ尾根も危険な個所は無く、傾斜もなだらかなので金剛山を始めて登られる方でも安心して歩くことができます。

細尾谷入渓地点には、百ヶ辻から伏見林道を歩きます。伏見林道は、百ヶ辻から念仏坂を経て伏見峠まで続く道で、山頂に続く車道でもあります。車道の通行は、許可を得た車両だけで一般車の通行は認められていません。車道なので危険な個所はありませんが、念仏坂を含め急勾配な個所も多く、凍結時などは滑りやすいので注意して下さい。

細尾谷は、前述した通りシルバーと称されるように年配者にも優しいルートだと思います。沢沿いの道ですが、道は明瞭で歩きやすく危険な個所はありません。途中、3箇所分岐があります。香楠荘尾根への分岐、馬の背への分岐、カタクリ尾根への分岐ですが、それぞれ尾根道で金剛山遊歩道や香楠荘付近に続いています。また、春から秋にかけては、多くの山野草が花を咲かせることでも知られています。




木馬道とは、木材などを運搬するための道を言います。細尾谷は、木馬道ルートとも言われるように、伐採した木材を運搬するための道でもあったそうです。以前は、木馬跡も見られましたが、今はその痕跡も見ることはなくなりました。





谷から遊歩道までは、本谷ではなく支谷に沿って道がありますが、距離も短く、さほど勾配もきつくありません。

