のんびりお釈迦様詣で(釈迦ヶ岳)
例年、初冬か早春に登る大峰山脈の釈迦ヶ岳ですが、昨年は機会を逃し登ることができませんでした。以前は、自宅から登山口まで3時間以上かかっていましたが、国道168号線の整備に伴い2時間半位で行けるようになりました。とは言え、近年の登山ブームで大峰山脈の中では比較的容易に登ることができる太尾登山口からのルートは人気が高く、早朝に自宅を出発しないと駐車場が満員となってしまいます。この日は平日だったのですが、万全を期して7時には太尾登山口に到着しました。
釈迦ヶ岳から橡の鼻までは『奥駈けの絶景を求め(椽の鼻)』をご覧下さい。
大峰山七十五靡・第四十番『釈迦ヶ岳』
深仙宿・前鬼三重滝と三者合一の行所とされています。近世には釈迦・文殊・普賢を祀る簡素な釈迦堂がありましたが、明治以降、前鬼に遷され、五坊が交代で奉安してきましたが、現在は小仲坊行者堂にあるそうです。お天気に恵まれて青空に浮かび上がるお釈迦様と日差しをバックにしたシルエットは神々しさの中に優しさを滲ませてくれていました。
この日は、釈迦ヶ岳に登頂後すぐ孔雀岳に向かって大峯奥駈道を歩きました。孔雀岳手前の橡の鼻で折り返し再び釈迦ヶ岳に戻り、絶景を見ながらのんびりと食事タイム。その後は、深仙の宿へ下り、咲き始めたばかりのシロヤシオを堪能しました。
食事後、釈迦ヶ岳山頂を後にして深仙の宿へ。山頂付近や大峯奥駈道のシロヤシオは、まだほとんどが蕾で開花しているものはほんの僅かでした。深仙の宿への下りは、釈迦ヶ岳の南東斜面で日当たりも良いのでシロヤシオの開花に期待してルート変更です。
釈迦ヶ岳から深仙の宿までは、期待通りシロヤシオもアケボノツツジも花付きが良く、咲き初めの新鮮な花を見ることができました。
大峰山七十五靡第三十九『都津門』は、深仙の宿の裏行場(胎内くぐり)の一つでした。現在は崩壊して危険なため修行は行われていないということです。写真ではわかり辛いですが、大きな岩に穴が開いているのが確認できます。
大峰山七十五靡第三十八『深仙の宿』
八大金剛童子の一つ香正童子の居所で、現在の灌頂堂は1957年(昭和32年)の再建で、役小角・不動明王・八大金剛童子・円珍・聖宝などが祀られています。四天石という岩壁があり、四天王かあるいは弁財天・聖天・役小角・香正童子に見立てられ、広目天(香正童子)の岩壁の中腹から香精水(光照水)という水が滴り落ちています。この周辺には裏行場として「仙人の一つ柱」、都津門、磊山、三つ蓋嶽、書写水、般若経櫃、石の護摩壇、龍神窟などの行所があったそうですが、都津門以外は所在が不明だそうです。
深仙の宿から行者のかくし水に通じているトラバース道を通って太尾登山口へ向けて下山しました。