梅雨空に咲く大峰の花(行者還岳)
大峯奥駆道が走る尾根の中でも石灰岩質の地形とその地質を好む植生豊かな行者還岳周辺は、毎年のように訪れる山域です。P1486周辺の石灰岩質地帯では、ヤマシャクヤクやクサタチバナが群落をつくり、尾根一帯ではシロヤシオが点在し満開になれば白い花が尾根を包みます。その他にも、サラサドウダン、ギンラン、ヒメレンゲ、バイケイソウ、ミゾホウズキ、ツルキンバイなどの花も見ることができます。また、行者還岳山頂から七曜岳にかけてシャクナゲが多く自生しています。今は少なくなってしまいましたが、大峰山脈で自生していたキレンゲショウマの保護もされています。
シロヤシオなどツツジ科の植物は、年によって開花状況が大きく異なることから、「当たり年」とか「裏年」などと言われることがあります。行者還岳には毎年のように登っていますが、タイミングが悪く花付きの良い時に当たっていませんでした。今回もあまり期待していなかったのですが、少しタイミングは早かったようですが、素晴らしい花付きでした。
このルートに関しては、『シロヤシオ咲く行者還(行者還岳)』をご覧下さい。
清明ノ尾と大峯奥駆道の出合いから行者還岳方向へP1486付近まで歩くと、石灰岩質の露石が目立つ場所に出ます。この周辺には、ヤマシャクヤクの群落があり大規模な群落を形成しています。鈴鹿で見られる大群落ほどではありませんが、毎年数十株は花をつけてくれます。また、雄蕊が白い花も多く咲いてくれるので楽しみが増します。
ギンリョウソウは、この時期色々な山域で見ることができる花ですが、大峰山脈ではピンクがかった花を見かけることがあります。自生している土壌など環境によって、白色だけでなく、ピンクや紫がかったものを見ることができるそうです。
今回は時期的に少し早かったのですが、P1486から少し北に進んだところには、クサタチバナの群生地があります。近くにはバイケイソウの群生地も隣接していて、縄張り争いをしているようですが(笑)満開になると大台ケ原の山並みをバックにとても美しいです。
大峰山脈の中でも石灰岩質を好む植物が多く自生していて、自然の豊かさを感じさせてくれる山域です。
