たおやかな山の牧歌(竜ヶ岳)
鈴鹿山脈、鈴鹿セブンマウンテンのひとつ竜ヶ岳…一目でわかる女性的で独特の山容をしている山です。山頂周辺は、クマザサとシロヤシオの樹木のみが育ち、一年を通じて風が吹き抜ける特異な地形をしています。シロヤシオは、ツツジの仲間で、春には白い花をつけます。山頂付近に点在するシロヤシオに花が咲くと、クマザサに覆われた緑の牧草地に白い羊の群れが遊んでいるように見えます。季節が移り秋になるとシロヤシオが赤く紅葉して、サンタの衣装をまとった赤い羊が群れているように見えます。数年前に2度ほど赤い羊を見に竜ヶ岳を登ったことがありますが、今年は台風などによる落葉も少なく、色づきがよいとのことで見に行ってきました。

宇賀渓キャンプ場の駐車場を起点に、まずは遠足尾根で登るために北河内林道を歩きます。


遠足尾根へ向かう植林地の道は、元々森林組合の作業道だったということです。かなりの急登が続きますが、道はよく整備されていて、大きな危険個所はありません。ただ、花崗岩や石灰岩が露出している場所があるので、足元には注意して下さい。

遠足尾根に上がると道は平坦になり穏やかな尾根道が続きます。登山道に沿ってロープが張られ、植生保護にも配慮されています。

樹林帯を抜けると尾根道には、ほとんど樹木は見られず、低木と笹原主体で視界がよく快適に歩を進めることができます。








この日の竜ヶ岳山頂は、珍しく吹く風も穏やかで過ごしやすい気候でした。平日でも30人ほどの登山者で賑わっていました。




久しぶりの竜ヶ岳でしたが、お天気にも恵まれ、最高の景色を見ることができました。竜ヶ岳は、1000mそこそこの低山ですが、その独特の山容と地元の方々の努力で、特筆すべき山のひとつだと思います。次回は、シロヤシオ咲く春に登りたいと思います。
