火山の名残と牧歌的風景
曽爾高原の探索の前に、南側の稜線に位置する後古光山に登り、倶留尊山への入山料を持ち忘れたのを思い出し、いったん駐車場に戻りました。少し時間ロスをしましたが、改めて亀山から亀山峠を経て、二本ボソ、倶留尊山に向かいました。

倶留尊山は第三紀に活動した火山のなごりで、三重県側斜面には火山岩による柱状節理が見られます。山名の由来は、この柱状節理の大障壁を賢却千仏の「拘留孫(倶留孫仏)」に見立てたと言われています。倶留尊山、曽爾高原一帯は室生赤目青山国定公園に指定され、山頂には三等三角点「具留尊山」が設置されています。そして、倶留尊山から亀の背に似た亀山(標高849m)を結ぶ稜線の西側に広がるのが曽爾高原(そにこうげん)です。曽爾高原はススキで一面に覆われた草原で、3月中頃に毎年山焼きが行われ、春から夏にかけては一面に青い絨毯が敷かれたような光景を見せてくれます。秋にはススキの穂が芽吹き、毎年たくさんの観光客が訪れます。また、曽爾高原の中腹には「お亀伝説」が残るお亀池があり、湿原特有に希少な植物を見ることができます。





亀山へ登ると下から見ていた稜線を二本ボソの方に辿ります。


亀山峠は、曽爾高原の遊歩道上にあり、登山目的ではない観光の方も多く登られてきます。亀山峠から二本ボソまでは、稜線伝いに登っていきますが、途中岩が露出した場所が数か所あります。

二本ボソまでは、樹林帯に入り山道を辿っていきます。岩が露出した個所もありますが危険な個所もなく歩くことができます。途中に管理小屋があり入山料を支払わなければいけません。二本ボソ、倶留尊山間は私有地で、整備などの費用に充てるそうです。


「二本ボソ」という名前の由来は、あるブログに「昔、山上に二本のホウソの木があったから…」とありました。ホウソの木は、コナラの別名です。この山頂部にコナラの木が二本あったんでしょうね。ちなみに下の写真は、二本ボソから少し下ったところにある「イワシの口」と呼ばれる岩稜部です。山麓の村からこの岩を見るとイワシの口のように見えるとあるHPに紹介されていました。

二本ボソから倶留尊山への道は、いったん二つの山の暗部に下らなくてはいけません。また、この区間の稜線東側(三重県側)は断崖絶壁で、露石が多い岩稜地帯も現れます。絶壁の風景は、樹木に覆われほとんど見ることができず、恐怖感はありません。スリッピーな個所もあるので、足元には注意して歩かれることをお勧めします。

倶留尊山の山頂部は、適度な広さがあり休憩場所には最適です。南方向の展望がよく、二本ボソをきれいに見ることができます。
倶留尊山を登った後、曽爾高原のススキ風景やお亀池の散策に下りました。この高原のススキも昔に比べると株数が少なくなったと言われています。それでも地元の方々の手厚い管理と手入れで今も多くの方が楽しみに訪問されています。









