曽爾高原のゴジラの背(古光山、後古光山)
大洞山、尼ヶ岳に続いて、兜岳、鎧岳を歩いた翌週に、気になっていた古光山(こごうやま)を歩いてきました。急峻な鋭鋒の後古光山とゴジラの背を思わせるギザギザの稜線が続く古光山は、この山域でも険しい道で知られています。ゴジラの背とは、南峰、天狗の踊り場(四峰)、三峰、二峰、北峰の五つのピークを持つ古光山稜線の私的表現です。尚、曽爾高原周辺の道は、昔から整備が行き届いていて、道標にはハイキングコースと示されています。ただ、実際の登山道はかなり急峻で険しい道が多いので、十分下調べの上、歩かれることをお勧めします。
古光山(標高953m)は、山容雄大で玻璃質黒雲母岩や石英岩からなっています。頂上からは、360度の大パノラマで眺望がよく、奇岩が突き出て奇観を呈しています。昔は天狗が住みつき太鼓の音が聞こえたそうで、古光山の八分目に天狗の「踊り場」というのがあります。(曽爾村観光協会HPより)また、別名を「ぬるべ山」というそうです。※「ぬるべ」とは、「漆部」のことで、漆塗り職人のことです。


古光山に登るにはいくつかのルートがありますが、車を利用する場合、曽爾高原駐車場を起点にして周回するのが一般的だと思います。その場合、古光山と後古光山どちらから登るのかによって登山口が分かれます。今回は、長尾峠を経由して大峠まで歩き、古光山から登ることにしました。曽爾高原駐車場に車を停めた後、大峠まで車道を含めて歩くことになります。


大峠の登山口から古光山南峰までは、植林地の中を急登しなければいけません。粘土質の急斜面で、お助けロープが張られています。勾配より粘土質の斜面が滑りやすく歩き辛い道が続きます。







南峰(南峯)は、稜線の南側標高960mの岩稜のピークです。ここから北側の「天狗の踊り場(四峰)」までは、展望が開け素晴らしい眺望を楽しむことができます。ただし、痩せ尾根でピークは非常に狭く、休憩するには適していません。



昔、天狗が太鼓を打ち鳴らしていたと言われる「天狗の踊り場(四峰)」へは、切り立った岩場を登らなければいけませんが、岩が階段状になっていて、お助けロープもありますが頼らなくても登ることができると思います。

天狗の「踊り場」(四峰)も南峰同様、非常に狭いピークですが、ここも展望がよく絶景を楽しむことができます。この日は、木々は色づき始めたばかりでしたが、紅葉の最盛期は素晴らしい風景を楽しめると思います。

南峰、天狗の踊り場(四峰)から三角点のある古光山北峰へは、ゴジラの背の三峰、二峰と小さなピークをアップダウンを繰り返しながら歩いていきます。痩せ尾根で足元には注意が必要ですが、木々に覆われていることもあり大きな危険個所はありません。
古光山の北峰(一峰)には、三等三角点(点名:古光山、952.4m)が設置されています。南峰や天狗の踊り場(四峰)に比べ、山頂一帯はスペースが広く休憩することもできます。ただ、残念ながら周りを木々に囲まれているため眺望はありません。



古光山と後古光山は、フカタワと呼ばれる暗部を挟んで約550mの距離ですが、下り約190m、上り約125mと急峻なアップダウンになります。古光山からフカタワまでの区間もお助けロープが張られていて、足場は露石と木の根、落ち葉と注意が必要になります。

フカタワは、古光山と後古光山の暗部にある分岐で、御杖村(東側)と曽爾村(西側)を結ぶ道が通っています。

フカタワから後古光山への道も古光山への道同様に急峻、急勾配の道です。道の大半にお助けロープが張られ、岩が露出した個所も多く見られます。岩に付いた苔や落ち葉で滑りやすいですが、足の置き場や手がかりは多いので注意して登れば問題ありません。


後古光山は古光山と違い、山頂部は狭く、眺望は南側の古光山方面に限られています。


後古光山から曽爾高原の間は、昨年二本ボソと倶留尊山を登る前に立ち寄ったので一度歩いています。今回は、古光山から歩いてきたので長尾峠、亀山へ歩くことにしました。古光山や後古光山の南側斜面に比べると、北側の稜線は比較的勾配も緩やかで、道もよく整備されています。ただ、それでも勾配のきつい佳代も多く、鉄製のチェーンが張られている箇所も多くあります。山腹をトラバースしている箇所は、木の根や落ち葉で滑りやすく、特に積雪や凍結時は注意が必要だと思います。






長尾峠から曽爾高原へ向かい、亀山へ登り、亀山峠からお亀池へ下り散策してから駐車場へ戻りました。
