素晴らしき錦秋の鎌尾根
以前から一度は歩いてみたいと思っていた鈴鹿山脈の鎌尾根。なかなか機会を作ることができなかったのですが、今秋は木々の紅葉の色づきが良いとの情報もあり、歩いてみようと行ってきました。自宅からのアクセス、乗用車での移動を考え、宮妻峡を起点に周回する計画を立てました。宮妻峡からカズラ谷コースで鎌ヶ岳を目指し、その後、鎌尾根を歩くルートです。水沢岳から先は、水沢峠から下るか、イワクラ尾根を歩いて入道ヶ岳まで足を延ばすか、所要時間を見ながら判断することにしていましたが、何とか周回することができました。お天気が良く、紅葉も見頃を迎えていた鈴鹿の尾根歩きは、最高の景色と時間をもたらしてくれました。
今回は、写真点数が多くなったのでスライドショーにまとめてみました。画像でも紹介しますが、是非スライドも見て下さい。
宮妻峡キャンプ場までは、舗装された車道ですが、道幅は狭く離合しにくい箇所もあるので注意して走って下さい。キャンプ場の駐車場は、かなりの台数が駐車できます。カズラ谷登山道近くにも駐車可能ですが、休日などはキャンプ場に停める方が良さそうです。
カズラ谷コースは、程よく整備された山道です。大きな危険個所もなく、無理なく歩くことができると思います。途中にカズラ滝があり、地面には褶曲した堆積岩を見ることができます。是非、探してみて下さい。
雲母峰からの道と合流した後は、明るい尾根道が続きます。
この日は、鎌尾根に向かう前に鎌ヶ岳を登ることにしました。岳峠から鎌ヶ岳山頂へは、東側のキレット(下の写真)を登りますが、急勾配の上、浮石が多く落石が発生しやすいので、前後の人との間隔をある程度取りながら歩くことをお勧めします。万一、落石が起こった場合は、大小にかかわらず大きな声で「落石!」とか「らーく!」叫んで下さいね。
この日は、雲はありましたが、視界は良好で鈴鹿の山並みを楽しむことができました。
鎌尾根は、岩場とザレ場、連続するアップダウンで、気を抜くことができない尾根道です。要所には、鎖やロープ類が設置されているので、注意して歩けば問題ないと思いますが、岩場やザレ場歩行に慣れてない方は、経験者と歩かれることをお勧めします。
初めて歩いた鎌尾根で一番厄介だったのが、水沢岳北側キノコ岩のザレ場でした。ルートファインディングに失敗し危険なルート取りをしてしまいました。登り終えてから後続の方のルートを見て間違いに気が付きました。よくよく考えれば、登ったルートを逆に下る判断はできないはず、周りの観察力など総合的な判断が足りなかったことを反省しました。
水沢岳(すいざわだけ)は、鎌ヶ岳と入道ヶ岳の間に位置する山で、地形図では宮越山と記されています。南側直下には、水沢峠があり、昔は、伊勢と近江を結ぶ間道のひとつとして盛んに利用されたと言われています。
イワクラ尾根は、県境稜線登山道から入道ヶ岳へ通じている尾根です。鎌尾根より樹木に覆われているのでわかり辛いですが、痩せ尾根、ザレ場、岩場が多くあり、アップダウンもあり思いのほかタフな道でした。
入道ヶ岳の山頂には、大きな白い鳥居があることで知られ、山麓に猿田彦大神を祀る総本山の伊勢国一之宮「椿大神社」の御神体として崇められています。また、標高906.1m、高山入道ヶ嶽の山頂には、奥の宮が鎮座します。一帯には、太古の祭祀跡である磐座が点在しています。
入道ヶ岳山頂部は、高い樹木が無く、アセビなどの低木がある広大な大地になっています。そのため360°の展望が開け、歩いてきた県境稜線、鎌尾根、水沢岳、鎌ヶ岳、御在所岳や伊勢湾を望むことができます。この日は、お天気にも恵まれ、素晴らしい風景を堪能することができました。
入道ヶ岳から北の頭を経て、新道コースで宮妻峡へ下りました。樹林帯に入るまでは、鎌尾根などの稜線を眺めながら歩き、樹林帯に入ると痩せ尾根が続いた後、浅い谷筋の転石が多い道を歩きます。大きな危険個所はありませんが、傾斜がきつく、転石に足をとられやすいので足元には注意が必要です。