春告げる山路の花(金剛山)
金剛山も朝晩に冷え込む日があるものの、日中は平年より気温の高い日が続くようになり、3月に入り山野草が一気に咲き始めました。金剛山に自生する山野草や木々(園地周辺など植栽種を除く)でいち早く咲き始めるのが、沢沿いで多く見られるネコノメソウの仲間です。そしてスミレの仲間、ショウジョウバカマ、ユリワサビなど。そして少し遅れて咲き始めるサイゴクサバノオ。もちろん、カタクリやニリンソウ、ヤマシャクヤク、クリンソウと駆け足で山を彩り始めます。
今回は、ツツジ尾谷、その源流部、わさび谷の源頭部を歩きました。まだまだ花の季節は始まったばかりです。多くの山野草は、登山道近くに自生しています。山野草にとって一番迷惑な行為は、人が踏み荒らすことです。観察や撮影の際は、気を付けて下さいね。


一般的には、白色のショウジョウバカマは、シロバナショウジョウバカマと呼ばれていました。近年、シロバナショウジョウバカマとよく似たツクシショウジョウバカマを区別せず、コチョウショウジョウバカマとするようになったそうです。(異説あり)
サイゴクサバノオは、名前の通り西日本で咲く山野草ですが、私の知る限りですが、近畿地方周辺では、ほぼ金剛山でしか確認されていません。金剛山でも数か所でしか確認できていませんが、今回別の沢筋でも数株咲いているのを見つけました。今までの自生場所だけでなく、少しずつ自生の範囲を広げてくれているようです。


これからタネツケバナの仲間もたくさん見かけるようになると思います。ただ、この種も同定が難しい種のひとつです。

ツツジ尾谷、わさび谷以外でも沢筋でよく見かけるユリワサビも可愛い花です。



早春の花の中でも、いち早く咲き始めるネコノメソウの仲間。沢沿いでよく見かけますが、今年は写真のヨゴレネコノメをよく見かけました。ヤマネコノメソウ、コガネネコノメソウ、シロバナネコノメソウ、タチネコノメソウなども見ることができます。
毎回注記するのですが、山野草の中には同じ種類で同定することが非常に難しい種があります。スミレの種類もそのひとつです。今回見かけたピンク色のスミレ…シハイスミレのようでしたが、葉の形状などでヒナスミレとしています。でも、自信はありません(笑)
ワサビの花も沢筋でよく見かけます。今回は、わさび谷で見かけました。

シロバナネコノメソウ(白花猫の目草、学名:Chrysosplenium album)も早春に咲く可愛い花です。主に沢筋で見ることができ、他のネコノメソウ類より水の流れが多いところに自生しています。金剛山でもっとも大きな群落があるのは石ブテ西谷ですが、金剛山の中では、危険な沢筋なので経験者もしくは経験者同行で行くようにして下さい。
金剛山では、同じ種のキンキエンゴサクが多く咲きます。ジロボウエンゴサク、ヤマエンゴサクはあまり見かけませんが、今回は黒栂林道で咲いていました。

ミヤマカタバミは、金剛山ではどこでも見ることができる山野草です。ただ、この種の花は日差しが豊富なことが開花の条件となるため、日当たりの良い日に見てあげて下さい。植林地の林床でよく見かけます。黒栂林道でもたくさん咲いています。
