身近な雪山の絶景(綿向山)
2週間前に登った鈴鹿山脈西端に位置する綿向山。前回は、積雪もほとんどなく、表参道も夏道で霧氷も山頂付近でわずかに残っているだけでした。そのため未踏だったイハイガ岳へ向かい、下山は久しぶりに竜王山を周回してきました。
この日は、大型寒波の影響で前々日には隣の彦根市で73cmの積雪を観測するなど、鈴鹿の山々も一気に冬山に変貌しました。御幸橋駐車場までのアクセスが問題でしたが、幸い寒波も去り除雪作業のお陰で綿向山を再訪することにしました。


駐車場から積雪がありましたが、最初は林道歩きのため、アイゼンはヒミズ谷出合小屋で装着しました。綿向山は、1000m程度の標高ですが、厳冬期の積雪量が多い地域でもあり、積雪時はチェーンアイゼンより歯の長いアイゼンの方が安全に歩くことができます。ヒミズ谷出合小屋(登山ポストあり)から植林地の山道を歩きます。綿向山付近の登山道は、林業関係者を初め地元の方々が整備をされていて、植林地内の急登も九十九折れの道が整備されているので、足に負担が少なく歩くことができます。元々参道でもあり、トレランやマウンテンバイクは禁止されています。
七合目の行者堂、行者コバから山頂へは、尾根を直登する「冬期ルート」と南側を回り込む「夏期ルート」があります。この分岐も地元の方が判断して、ゲートを開け閉めされています。この日は、積雪量も十分で当然「冬期ルート」を辿りました。山頂までは、かなりの急勾配が続きますが、積雪量が十分であればアイゼンもよく効くので注意すれば問題はありません。

尾根を直登する「冬期ルート」は、植林地を抜けるとブナの自然林を通りますが、西側から吹き付ける季節風の影響で、霧氷が付きやすくなっています。山頂に近ずくにつれ、霧氷のトンネルが続きます。また、谷側は日差しが入ると蒼く輝き神秘的な風景を見せてくれます。この日は、残念ながら日差しが無く、霧氷の状態は良かったのですが、青空とのコントラストを見ることはできませんでした。





山頂についた頃から、少しずつ日差しが差し込むようになり、雲の流れが青空を呼び込んでくれる期待が高まりました。



お天気が良ければ、山頂の南側にあるブナの木平も霧氷がとても綺麗なのでお勧めです。今回は、青空が出るまでには少し時間がかかりそうだったので、大好きな北尾根方面に行くことにしました。


山頂から北側に延びる尾根は、イハイガ岳や雨乞岳へ続く尾根です。途中で西側に下ると竜王山へ向かうことができます。2週間前にイハイガ岳まで歩いてきました。この稜線は、大きな樹木が無く、苔や低木のアセビなどに覆われ、広々とした尾根が続いています。また、西側からの季節風が琵琶湖の湿潤な空気を運んでくるため、積雪量が豊富で雪庇、霧氷、シュカブラなど雪と風が生み出す芸術的な風景を見ることができます。

前日まで大型寒気が入り込んでいたため、積雪量は豊富で、色々な素晴らしい風景を見せてくれました。特に雪庇は美しいフォルムを見せてくれていました。日当たりが良い場所なので、好天が続くと痩せてしまうのですが、最高の条件だったと思います。


竜王山との分岐から先は、樹木もほとんどなく立ち並ぶ低木に付く巨大な霧氷がとても印象的です。また、蒼い輝きを見せるシュカブラも見事で大好きな風景のひとつです。

尾根の北側突端からイハイガ岳への稜線には踏み跡がありませんでした。ツボ足で歩くには少し不安があったので、今回はここで山頂へ引き返すことにしました。山頂で鈴鹿山脈の山並みを見ながら、ゆっくり食事をして至福の時間を過ごしました。冬季はなかなか青空に恵まれないのですが、今回は曇りがちながら青空にも恵まれラッキーでした。
