追憶のタカハタ谷(金剛山)
タカハタ谷は、腰折滝上部でツツジ尾谷に合流する支谷です。金剛山登山口(まつまさ周辺)から黒栂林道を歩き、備前焼千早窯(橋の手前)を右に入り、浄水場方向へ歩くとタカハタ谷、ツツジ尾谷、松の木道、水ヶ阪尾根への入路があります。入路は、下記の写真箇所の他にもう少し先にある浄水場を回り込んで谷に入る道がありますが、浄水場付近は立入禁止になっているので、写真の箇所から入られることをお勧めします。
タカハタ谷を歩くのは何年ぶりだったか覚えていませんが、ツツジ尾谷やカトラ谷に比べるとこじんまりした谷で、岩や倒木に苔がつき緑豊かな谷だった記憶が残っています。近年の台風や豪雨被害で金剛山の谷も景観が以前と変わってしまいましたが、タカハタ谷はどうなっているのか記憶を辿りながら歩いてきました。










腰折滝の巻道は、岩が露出した個所が多く、浮き砂や落ち葉がある時、雨上がりや凍結時は、十分注意が必要です。古いお助けロープがありますが、かなり朽ちていて支点も定かではないので、体重を預けることは絶対にしないで下さい。木橋も朽ちていますので、トラバースの際は、必ず谷側ではなく斜面側に荷重がかかるようにして下さい。

タカハタ谷には、写真の木橋を渡らず左側の谷へ入っていきます。木橋を渡るとツツジ尾谷を歩くことになります。

タカハタ谷は、谷筋の道ですが、大きな滝はもちろん小滝もありません。水場には流々と水が湧き出ていますが、沢は伏流水になっているところが多く、水の流れはあまりありません。昔からよく歩かれている道なので踏み跡も明瞭で大きな危険個所もありません。途中に松の木道への分岐がありますが、道なりに辿れば道迷いすることもないと思います。老若男女問わず楽しめる道です。

松の木道への分岐を過ぎると一つ目の水飲み場に到着します。この水飲み場は水量も豊かで休憩するにはもってこいです。また、大規模とは言えませんが、イチリンソウの群生地があります。





イチリンソウは、ニリンソウより大きくてとても優雅な花姿をしています。この群生地は、日当たりもよく白い花にピンク色が混ざる立派な花を咲かせてくれていました。金剛山の中でも美しいイチリンソウを見ることができる場所です。








水飲み場からは、六地蔵尾根を目指して斜面を登ることになりますが、徐々に勾配はきつくなってきます。六地蔵尾根との合流手前は、木の根がむき出しになった急勾配な階段状の斜面が続きますが、さほど距離は無いので頑張りどころです。

六地蔵尾根にのってからは、なだらかに山頂方面へ登っていきます。途中でツツジ尾谷から登ってくる道などがありますが、明瞭な尾根道なので迷うことはありません。ブナの大木など豊かな自然を満喫しながら歩いて下さい。







