ぶん回しを彩るブナ林(氷ノ山)
今年は、夏から初秋にかけて台風の影響が少なく、猛暑の昨年ほどではなかったためか、紅葉前に樹木の落葉が少なかったようです。そのため、昨年の紅葉とは違い、色づき、ボリュームとも素晴らしく「錦秋」の言葉が似あう風景を見せてくれました。特になかなか綺麗な紅葉を見ることができないブナ林ですが、今年は綺麗な紅葉の中でも、そのブナの紅葉が特に綺麗でした。
「ぶん回し」というのはオランダ語で方位磁針のこと言うそうです。また景品のガラガラのことを指す場合もあるそうです。氷ノ山をグルっと周回するルートなので「ぶん回しコース」と呼ばれるようになったようです。一般的には、氷ノ山鉢伏口を起点として、東尾根コースで山頂へ登り、氷ノ山越避難小屋、大平頭避難小屋を経て小代越えからハチ高原へ下るルートを指すようです。
福定親水公園から東尾根コースで山頂を踏んだ後、ぶん回しコースで鉢伏山方面へ歩を進めました。先ずは、氷ノ山周辺でも眺望が素晴らしいと言われるこしき岩へ立ち寄りました。(こしき岩は、登山道から少し離れた岩場です)
山頂から氷ノ山越避難小屋までは、ヤキョウガ山などいくつかのピークを越えながら下りが続きます。大きな危険個所はありませんが、岩稜地帯や湿潤な斜面があり足元には注意して下さい。
氷ノ山越避難小屋からは、アップダウンを繰り返しながら鉢伏山方面へ下っていきます。よく踏まれた尾根道で大きな危険個所はありませんが、赤倉頭から先はやや険しい山道が続くので足元に注意しましょう。大平頭避難小屋からは、本格的な下りルートとなり、路面状態の悪い急坂やロープ場がありますので、足元には注意して下さい。
氷ノ山周辺は、ブナの原生林が広がっているので、どこからでも綺麗な紅葉を楽しむことができます。その中でも、ぶん回しコースの尾根から見るブナの紅葉は素晴らしいものがあります。
この分岐から東側に500mほど下るとボードー杉があるそうです。推定樹齢500年、最大の幹回り約12m、高さ約20mを誇る兵庫県の天然記念物です。名前はこの地方の方言でホードェー(特別に大きい)から付いた説と、幹に穴のある木をホードーと呼んだ説があるそうです。
ハチ高原周辺は、スキー場が点在していて樹木はなくススキで覆われています。風の強い日は、ゆっくりすることができませんが、この日はお天気に恵まれ、風もなく穏やかな尾根歩きを楽しむことができました。
鉢伏山まで向かうには少し時間が足らず、今回は高丸山で下山することにしました。高丸山から見る氷ノ山も稜線は美しく、足元にはウメバチソウやリンドウが沢山咲いていました。こんな時間を過ごせることに感謝する一日でした。
この時期、ハチ高原周辺はススキが美しいのですが、その足元には、リンドウやセンブリ、ウメバチソウ、アキノキリンソウなどの花々が咲いています。また、樹林地帯や湿地帯にも少し花を見ることができます。