高天の谷を歩く(金剛山)
最近朝早く起きるのが億劫でいつも出足が遅い。この日も久しぶりに沢に入ろうと思っていたが、出足が遅くなり近場の金剛山へ行くことにしました。金剛山で沢登りができる場所は大阪側にも多くあるのですが、個人的には奈良側の沢が好きです。金剛山の沢登りレベルは、どこを登っても基本初級以下ですが、奈良側の沢はお助けロープも少なく、高巻きする箇所もあり色々な要素が求められ、少し難易度は上がります。沢登りの経験が少ない方は、経験者と同行の上入渓される方がよいと思います。また、沢靴やヘルメットの個人装備のほか、ロープなどの共同装備を携行されることもお勧めします。※ロープなどは使用することはないと思いますが、緊急時や下降などにも備えて下さい。



高天滝は、私にとっては確保無しに登るには少しハードルが高いので、滝右側斜面に架けられたアルミ製の梯子で巻きます。

この堰てい下の直瀑は、数年前までは直登できていたのですが、最近は直登できず巻くことが多くなってます。ただ、この巻き道が結構厄介…滑りやすい斜面を登り、堰てい上までトラバースしますが、錆びたワイヤーや木の根が頼りで気を抜けない区間です。



巻き道は明確ではありませんが、目を凝らすと踏み跡があるので迷うことはないと思います。左側滝下へ切れ落ちていますが、踏み幅もあるので落ち葉などでのスリップに気を付けてください。また、沢へ降りる直前にも注意ください。



高天谷も右岸郵便道側からの崩落が相次ぎ、倒木で谷が埋め尽くされていた時期がありました。しかし、近年の台風や豪雨の影響か(!?)倒木が流されたようで遡行しやすくなり、渓相も良くなりました。



高天谷は花崗岩質の磨かれた岩を伝うように水が流れています。水苔も生育していますが、豊かな水量のせいで付着している箇所が狭く、アクアグリッパーのようなゴム底の沢靴でも遡行に問題なありません。(私は念のため、ゴム底の沢足袋に装着できるフェルトの沢足袋を携行しています)
高天谷の特徴として、かなり谷幅が狭くなっている区間が数か所あります。






高天谷はこの二股分岐で到達する場所が変わります。地形図で見ると右股が本流のような気がしますが、右股は長いなめ滝(水流はほとんどなし)が続き、二股を挟んだ尾根に取付いた後、白雲岳近くからダイトレに合流します。左股はやや落差のある滝が続き、郵便道に合流します。左股の連瀑帯は落差もあり、高天谷の核心部のひとつなのでお勧めできます。連続する滝は、すべてフリーで直登することが可能ですが、自信がない方は高巻きすることも可能です。



郵便道は、合流地点近くで大きな崩落があり一時通行止めとなっていましたが、地元の方々がう回路を整備していただき通行できるようになっています。ただ、法面工事がなされたわけではないので崩落は日々進行していると思われます。


