里山のウラシマソウ
自宅から歩いて行ける里山『河内飯盛山』は、楠木正行、三好長慶など歴史的にも興味がある山ですが、自然の豊かさも特筆すべきものがあります。初夏には国蝶のオオムラサキが飛び交い、初秋にはアケボノシュスランが咲きます。そして春には、多くの都道府県で絶滅危惧種の指定を受けている『ウラシマソウ(浦島草)』の群生を見ることができます。
ウラシマソウ(浦島草、学名:Arisaema urashima)は、サトイモ科テンナンショウ属の宿根性の多年草で、本州、四国を中心に自生している山野草です。湿った場所を好み林の中などで自生していますが、日当たりが悪いとと、雄性個体ばかりになり子孫を残せなくなってしまうそうです。日差しの入り込む湿気のある場所では、繁殖率がよく群生が見られるようです。河内飯盛山周辺では、4月から5月にかけて花が咲きます。肉穂花序(にくすいかじょ)の先端が、釣り糸のように長く伸びますが、その姿が浦島太郎が持っていた釣竿の糸と似ていることからウラシマソウという名前がついたと言われているそうです。花言葉は「不在の友を想う」「注意を怠るな」「懐古」「回想」などがあるそうです。
河内飯盛山周辺では、ハイキングコースや四條畷神社裏のやや開けた場所などに群生しているのを確認していますが、何故、河内飯盛山周辺で多く繁殖しているのかは定かではありませんが、一般的な道端にでも見かけることがあります。希少な植物で里山の宝であり、絶えることなく育ってくれることを見守ってあげたいですね。
◎河内飯盛山
飯盛山(いいもりやま)は、大阪府大東市と四條畷市にまたがる北部生駒山地の山です。大阪府山岳連盟が2002年に発刊した「大阪50山(おおさか50せん)」では、『河内飯盛山』と表記されています。標高は314.3mで山頂部には飯盛城の曲輪跡や石垣跡が今も多く残っています。また、山頂部には南北朝時代の四條畷の戦いで戦死した楠木正行の銅像が建っており、戦国時代の三好長慶の居城としても有名です。河内飯盛山の詳細な情報に関しては、『河内飯盛山周辺登山道』をご覧ください。
