真珠の如き白き花(三峰山)
三峰山は、台高山脈北部に連なる高見山地の東部に位置し、山頂に一等三角点「三嶺山」(1235.2m)が設置されています。山頂の南側には八丁平と呼ばれる平原が広がり、春にはシロヤシオが咲き、厳冬期には、山頂直下の三畝峠周辺は綺麗な霧氷を見ることができることで知られています。そして秋の紅葉前に、南側斜面の崩落地に群生する山野草があります。少しブランクもありましたが、久しぶりに、今回そのホソバノヤマハハコ(細葉の山母子)を見に行ってきました。








不動の滝は、落差21mといわれ滝姿のとても美しい滝です。今回は、先行者の方がおられたこともあり、三脚を使わず手持ちで撮影したので少しぶれてしまいました。古くから地元の方々の信仰の場でもあるようです。
不動の滝を左岸から高巻きながら大タイ谷を離れ尾根を目指して不動の滝ルートを登ります。






三畝峠周辺から山頂にかけて、厳冬期にはきれいな霧氷がつき、白く輝く霧氷のトンネルになります。

三峰山の稜線からは、北側に室生火山群の山並みがきれいに見えます。奈良県宇陀市東北部および宇陀郡曽爾村、御杖村全域から三重県名張市南部にかけて広がる山地で、約1500万年前の火山活動によってできた山々が連なっています。西は宇陀山地(口宇陀盆地)または竜門山地、南は高見山地へと続き、西北部は宇陀川に区切られ笠置山地(大和高原)、北部は上野盆地(伊賀盆地)、東北部は青山高原へと続いています。最高峰の倶留尊山や曽爾三山(鎧岩・兜岩・屏風岩)など独特の形をした山並みを見ることができます。


山頂から南側の八丁平へ向かい、ゆりわれ登山道を少し下ってホソバノヤマハハコ群生地へ向かいました。登山道には、トリカブトの花が咲き始めていて、濃い青紫の美しい花が咲き乱れていました。八丁平周辺のトリカブトの群生も素晴らしいですよ。

ホソバノヤマハハコは、同種のヤマハハコの西日本型と言われています。ヤマハハコより小型で、茎は叢生し、中間では枝分かれせず、上部でだけ枝分かれしています。茎や葉に白毛が多く、葉は幅2~6㎜と細く線形です。カサカサとした花径数ミリの真っ白な花がとても美しいです。エーデルワイスの親戚で、花言葉は「親子愛」「純情」、そして、学名の margaritacea は「真珠のような」という意味があるそうです。
真珠のようなホソバノヤマハハコを堪能した後、八丁平に戻り三重の山並みを見ながら食事休憩しました。






登尾ルートは、不動の滝ルートに比べ、傾斜が緩やかになるように登山道が通っています。初心者の方でも登りやすい標準的な登山ルートと言えます。また、展望が開けた場所もあり、倶留尊山(くろそやま)、二本ボソなど周囲の山々を望むことができます。






