水ヶ阪尾根(金剛山)
金剛山で最も一般的な登山道の郵便道から派生する北西に延びる尾根を『水ヶ阪尾根』と呼んでいます。郵便道の五合目から少し下った踊り場になっている場所から尾根が北西方向へ分岐しています。北側にはツツジ尾谷、南側には風呂ノ谷があり、風呂ノ谷の先には千早城址があります。水ヶ阪尾根は、最終的にはツツジ尾谷やタカハタ谷へ続く沢沿いの道に合流しています。また、尾根の途中から南に分岐する支尾根に沿って千早本道へ通じている道もあります。この一帯は、林業も盛んでよく作業されています。
金剛山を毎週のように登っていた頃、FBなどでお付き合いしているレジェンドから千早城の水源探索のお話をいただき風呂ノ谷を探索したことがありました。残念ながら当時の痕跡を見つけることができませんでしたが、近世の石垣や取水の古い設備跡がありました。風呂ノ谷またはツツジ尾谷に千早城の水源があったのではと言われていますが、水ヶ阪尾根のネーミングも水が関係しているようで当時の水源に関連していたのかもしれません。
水ヶ阪尾根は、特に見所があるわけでもなく、単調な尾根道です。千早本道の階段地獄に飽きておられる方は、バリエーションのひとつとして利用されてはいかがでしょうか。
下の写真の通り、ピークに向かう踏み跡と右側をトラバースする踏み跡があります。どちらもすぐ先で合流しますので、好きな方を歩きます。
尾根の前半は、右側(北)がツツジ尾谷、左側(南)が風呂ノ谷です。ツツジ尾谷側は植林地で、風呂ノ谷側は自然林になっています。昔からよく踏まれているようで、非常に明瞭な尾根道です。また、植林地の多い金剛山では、自然林も見られ緑豊かです。
水ヶ阪尾根から千早本道へ分岐する道が数か所あります。金剛山を登り始めた頃と比べると分岐する道は明確になっていました。元々、林業作業用の道もあったようで、昔から往来があったようです。いつの頃からか「ささやきの小径」とも呼ばれているようです。
尾根が北方向に折れて下るようになると、右はツツジ尾谷ですが、左は黒栂谷(黒栂林道)になります。端部に近づくにつれ勾配がきつくなりますが、斜面はしっかりしていて歩くには全く問題はありません。
尾根の突端まで踏み跡が続いていますが、突端から先はかなりの急斜面です。無理すれば下りることもできそうですが、突端手前を右側のツツジ尾谷方向へ道があります。道を辿ると斜面をトラバースしながら谷に下りることができます。
水ヶ阪尾根への取付きは、ツツジ尾谷やタカハタ谷、松の木道などへ通じている谷沿いの道にある千早地区の簡易取水口の箇所になります。