八経ヶ岳③近畿の屋根を歩く(奈良県/大峰山脈)
近畿の最高峰「八経ヶ岳」と2番目の「弥山」…数年前、大峰山脈に初めて足を踏み入れたのがこの二峰でした。
弥山(1895m)は、大峰山の最深山として「深山」あるいは「御山」と呼ばれていたのが、近世になって古代インドの世界観の中心にある「須弥山」になぞらえて「弥山」と呼ばれるようになったと言われています。弥山山頂には、天河大弁財天社(天河神社)の奥の院である弥山弁財天社(弥山神社)があります。天河神社は市杵島姫命・熊野坐神・吉野坐大神を祭神としていて修験道にも関わりの深い古社です。現在の弥山小屋は、1995年に建て替えられ最大250人収容できるとされています。また、弥山がや周辺はテント泊も可能でシーズンには多くの方が利用されています。
標高1915m近畿最高峰の八経ヶ岳は、役行者が『法華経』八巻を埋納したとの伝説から仏経ヶ岳とも呼ばれます。また、近くの弥山辻付近に「鉢経宿」「八軒宿」などの宿があったされ、「八軒宿」の奥にある山「奥八軒」から「八剣山」という名前でも呼ばれていたとのことです。
八経ヶ岳、明星ヶ岳周辺には、オオヤマレンゲの自生地があり防鹿ネットなどで保護されています。また、弥山と八経ヶ岳を結ぶ斜面は「仏経嶽原始林」と呼ばれ国の天然記念物に指定されています。関西では珍しい亜高山帯に分布するシラビソやトウヒを見ることができ、ナナカマドやオオイタヤメイゲツ、オオカメノキも混在しています。オオヤマレンゲの他にもマイヅルソウ、カラマツソウ、サンカヨウなど植生も豊かです。

弥山小屋は厚生省が1957年(昭和32年)に建設され、1995年に改修されて宿泊施設・発電設備が充実した小屋となったそうです

弥山小屋の前にある看板と鳥居

弥山小屋から弥山弁財天社(弥山神社)へ向かいます

弥山弁財天社(弥山神社)は麓にある天河大弁財天社の奥の院とされています

弥山は大峯奥駈道にある75の靡のうち第54番の行場とされています

弥山山頂付近から見る八経ヶ岳と仏経嶽原始林(ぶっきょうがたけげんしりん)

トウヒ、シラビソに混じり、広葉樹の紅葉が見られました

弥山から八経ヶ岳へ向かう登山道…仏経嶽原始林

紀伊半島は雨が多く、湿潤な環境が苔を育んでいます

シラビソの幼木が多く見られ、森の再生が進んでいます

弥山と八経ヶ岳の暗部の紅葉

年々少しずつ崩落が進んでいるそうです

オオヤマレンゲ自生地

紅葉に彩られた登山道を進んで行きます

日本百名山/近畿最高峰 八経ヶ岳山頂
八剣山(はちけんざん)とも呼ばれるほか、役行者が法華経八巻を埋納したと伝わることから仏経ヶ岳(ぶっきょうがたけ)とも呼ばれます

八経ヶ岳山頂

八経ヶ岳山頂付近の立ち枯れと明星ヶ岳

明星ヶ岳と釈迦ヶ岳へ続く大峰奥駆け道

八経ヶ岳山頂から頂仙岳方面、遠くに大和葛城山と金剛山

八経ヶ岳山頂から弥山山頂を望む…亜高山帯で見られる縞枯れを見ることができます

水晶谷と大栂山

弥山小屋近くには、苔に覆われた場所が多くとても綺麗です

苔に可愛いキノコ

国見八方覗…一張りのテントはFBのお知り合いの方のものでした。いつかここでテント泊するのが夢です♪

国見八方覗から大峰奥駆け道を望む

国見八方覗から北部大峰山脈を望む

北部大峰山脈を眺めながら下山開始