星田連山の沢を辿る
数回に分けて歩いた星田連山ですが、その大半は尾根道でした。連山なので基本はピークハントの尾根歩きになるのですが、当然山域には尾根と谷が存在します。そこで前回までに歩いた時に確認していた谷道を今回は歩いてみました。
歩いたふたつの谷は、どちらも星田新池に流れ込んでいる谷で「茄子石谷」と「拂底谷」です。この日は先ず星田新池から入山して、「茄子石谷道」で聖滝(茄子石ノ滝)から広望丘、五段ノ滝を通って星田山へ向かいました。






星田新池ができる前から茄子石谷、拂底谷はこの山域では豊かな水源だったようです。茄子石谷にはその名残か構造物や謂れのある滝があります…長澤又吉霊(慰霊碑)、蝙蝠岩、石積みの水路跡、聖滝(茄子石ノ滝)など古い地図にも記載があるようです。













茄子石谷道は踏み跡も明瞭で、大きな危険個所や道迷いの危険はありません。見るべきところも多くハイキングには良い道だと思います。聖滝(茄子石ノ滝)の上に位置する広望丘は眺望も良くきっと夜景も綺麗でしょうね。








星田山(馬が峯)を踏んだ後、今回は拂底谷道の未踏区間を歩くために拂底谷(ボッテ谷)へ下りました。



拂底谷道は、前回星田新池への下山時にこの分岐から利用してみました。崩落や倒木で荒れていると言われていましたが、やや道が狭くなっている個所はありましたが、特に大きな危険個所もなく星田新池までたどり着けました。今回は、日高山への登り口から沢に沿う谷道を拂底山直下へ向かいました。下流への道より崩落や倒木箇所が多く少し荒れた感じです。ただ、踏み跡は明確で大きな危険個所はありませんでした。





前回は東拂底山から下り拂底谷から拂底山へ東斜面から登りましたが、明確な踏み跡は見つけられませんでした。今回は拂底谷道を詰めたことで、拂底山への明確な道も見つけることができました。









茄子石谷道と未踏区間のあった拂底谷道をつなげる今回の目的は問題なく完了しました。そして道が不明瞭だった拂底山への道も発見することができました。下のスライドは、JR星田駅から星田新池に向かう途中に立ち寄った高岡山です。平和台霊園もしくは星田大池北側から入路があります。ただ、銘板は見つかりませんでした。
◎歩く際の注意点(低山を侮るなかれ!)
星田三山と呼ばれる北山師岳、星田山、日高山があり、最高峰の羽伏山でも284.2mの超低山群です。ほとんどのルートはよく整備されていますが、未整備区間や廃道化している道、崩落個所、藪に閉ざされた区間などもあります。低山と言っても急斜面のトラバースやルンゼ、砂防提もあり、地形図にルート記載のない道が多く、道迷いなどには十分注意が必要です。また、入り組んだ地形のため細かなアップダウンが続き、歩く距離以上に体力が必要になります。
この山域に限りませんが、必要以上にテープ類が多いです。里山は色々な方が登られるのである程度のテープ類はあってもいいと思いますが、折角の自然景観を損なうような過度なテープ(私設)は取りつけないようにしてほしいものです。尚、林業や保全、倒木処理のためのテープもありますので、必ずしもテープがルートを示しているとは限らないので注意して下さい。
- 地形図、コンパス、GPSを使用した読図力が必要な箇所があります。
- 崩落個所や急斜面のトラバース、道迷いに備え、シュリンゲなどの装備を持たれることをお勧めします。
- 低山ですが、谷の深い場所や岩場があります。道に迷った時は、尾根まで引き返すようにしましょう。
- テープが多くありますが、テープを頼りにせず自ら地図やGPSで確認しましょう。新緑から落葉するまでの季節(初夏から晩秋)は、藪が茂り、蜘蛛の巣、蜂やマダニ類も活動期にあるので、バリエーションルート探索は冬場が良いと思います。
