冬晴と大地が織りなす風景
大峰山脈の釈迦ヶ岳…山頂の釈迦如来像は、大正13年(1924年)に「鬼マサ」の異名で知られていた岡田雅行(1886年 – 1970年)という強力(ごうりき)が、たった一人で道をつくりながら、3分割して担ぎ上げたことでも有名です。大正13年は私の父が生まれた年でした。その父が2015年11月27日に他界した直後の12月5日に登り、山頂のお釈迦さまに父の死を報告し弔いしました。その後、山歩きから2年間遠ざかっていましたが、昨年12月に再訪を果たしました。そして今回もアクセス道路の林道が冬季閉鎖になる前に行ってきました。
【アクセス等の注意事項】
林道旭線:R168号交差点より約2kmの所で時間制限通行止め
林道栗平線: 12月28日から3月31日まで冬季通行止め ※この期間中に法面工事の予定があるようです。
R168号より駐車地まで約20km程度の距離があります。落石が多く、尖った石があるのでパンクにも注意が必要です。
太尾登山口に駐車場・トイレ(冬季は使用できません)・登山ポストあり
途中の関電エレハウスに綺麗なトイレがあります。
雲を高いところから見下ろした時、海のように広がって見える状態を雲海と言います。標高の高い山や飛行機からはよく目にする光景ですが、平地や標高の低い山ではなかなか出会えません。でも、さまざまな条件が重なるとさほど標高の高くない低山地帯や盆地でも雲海は見ることができるのです。近畿周辺でも、丹波の竹田城や十津川村の隣に位置する野迫川村は雲海遭遇率が高いとされています。ただ、その発生時刻が夜明け前後の短い時間帯に限られ、太陽が高く昇り、気温が上がり、風が吹き始めると、雲海は跡形もなく消えてしまいます。今回は気象条件が良く11時頃まで綺麗な雲海を見ることができました。
今冬も暖冬と言われこの日も釈迦ヶ岳も積雪量はごく僅かで、霧氷も山頂部を除けばほとんど融け落ちていました。千丈平から山頂に向けて、特に西側からの季節風が吹きこむ場所には、数センチ程度ですがしっかりと積雪があり、融けかけてはいたものの綺麗な霧氷風景も見ることができました。12月初めの八経ヶ岳の素晴らしい霧氷には遠く及びませんが、それでも綺麗な霧氷風景でした。
この日は駐車場の車から判断して入山者は私を含め3名。先行者の2名はかなり早くから登っていたようで、途中の登山道で早々とすれ違っていました。釈迦ヶ岳山頂では風も無く絵に描いたような小春日和…ホットウイスキーと暖かいカップ飯でのんびり一人の時間を満喫しました。賛否両論ありますが、私にとって山は単独で登るのが一番です。
結局、山頂で1時間以上過ごした後、別れを惜しみながらのんびりと下山の途に立ちました。