感動の出会い
山を登っていると色々な山野草に出会いますが、希少種も数少なくありません。キバナノショウキランは、そんな希少種の中でも環境省レッドリストカテゴリー絶滅危惧IB類(EN)に指定されています。近い将来における野生での絶滅の危険性が高いものとされています。
山地の沢沿いの湿り気のある腐葉土に生えて、葉緑体を持たずその養分を分解する菌(ラン菌根菌)と共生して成長する腐生植物です。ショウキランは比較的色々な場所で見ることができますが、キバナノショウキランは個体数がかなり少なく確認情報も限られています。
そんなキバナノショウキランに初めて出会うことができました。開花状態もまだ新しく、株も大きなものが3株と素晴らしいものでした。非常に希少な植物のため、確認できた場所に関しては奈良県とだけ記載しています。見つけられた方は、この子達の貴重な姿が将来につなげられるように大切に見守ってあげて下さい。
キバナノショウキラン(ラン科ショウキラン属)
学名:Yoania amagiensis
前川文夫・中井猛之進両博士が伊豆半島の天城山で発見されたことから学名にamagiensisとつけられています。
関東地方以西、四国、九州の山地など落葉樹林床などに極めて稀に生えます。高さ20~40cmの腐生植物で、6~7月に茎頂に黄褐色を帯びた花を上向きに7~15個つけます。(群馬や埼玉県は全てスギの植林地に自生しているとのことです)