絶景、奇観『天に昇る竜』(奈良県/大峰山脈)
国道309号の天川村から上北山村「行者還林道」途中からナメゴ谷を形成する山の斜面は、植林された針葉樹の中、尾根筋だけ山桜や広葉樹が残されています。
春は山桜のピンク、秋は黄色や赤色の紅葉で彩られ、まるで龍が天に昇るように見えます。ちなみに尾根筋だけ広葉樹を残しているのは、広葉樹の方が燃えにくいため山火事が起こった時に延焼を防ぐためだと言われています。
国道309号は、別名「酷道」と呼ばれるほど狭い道幅で、紀伊半島の中央部辺りに位置するため、都心部からのアクセスが悪く秘境の絶景と言われていました。近年、トンネル工事が進み都心部からのアクセスが良くなってきたこと、テレビや新聞などで取り上げられたことで多くの方が訪れるようになっています。
国道309号からは、北斜面を見ることになるので、朝日があたり始める日の出から数時間が撮影には一番適しています。この日は、小坪谷を歩くことがメインだったので、夕方に訪れることになりました。
また、大峰奥駆道のしなのき出合い周辺からナメゴ谷を見下ろせる場所があります。反対側の尾根も尾根筋だけ広葉樹林で覆われるため、下からの景色とは違った風景を楽しむことができます。写真後半はそのポイントから撮影したものです。